言葉のボールを拾って「同意」するだけでコミュ力は格段にアップする/発達障害の仕事術

pixta_8126133_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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前の記事「コミュニケーションはとにかく「同意」で通信回路を開こう!/発達障害の仕事術(29)」はこちら。

 

雑談程度の深さのコミュニケーションにおいて、「不同意」や「否定」はあまりいい結果をもたらしません。「とりあえず全て同意で受ける」でまず問題ないのです。そして、同意の形で受けた後の発話が実質的に不同意であっても、人間はそんなことはほとんど気にしません。と言いますか、そこまで相手の話を真面目に聞いてすらいません。

一度同意の形を持って受け止められた、それが重要なのです。まさに、雑談は形式的な儀礼であり、単なるキャッチボールなのです。やわらかく投げて、同意でやわらかく受け取る。それで十分です。「とりあえず同意で受ける」は習慣にしておいて損はありません。

 

初心者は、「言葉拾い」でしのぐ

しかし、いざこのテンプレートを理解しても、「難しい」という人もいると思います。僕も実際、できるようになるまでかなりかかりました。意識的にやるようになってからしばらくは、非常にガタガタしたコミュニケーションをせざるを得ませんでした。しかし、コミュニケーションの型を身につけるまでの補助輪となる明確なコツがあります。このコツを、僕は「言葉拾い」と名づけています。

A「いい天気ですね話題の提起)」
B「本当にいい天気ですね同意)」
A「こう暑いと、やる気も出ませんね
B「本当にやる気出ませんね同意)。何もする気がしません(話題の提起)」
A「私、今日はこの後仕事なんですよ。この暑い中、働きたくないですね
B「働きたくないですね同意)。涼しくなって欲しいものです(話題の提起)」

どうでしょう、傍線部にピンと来ませんか。これ、相手の言葉を拾ってそのまま機械的に返しているだけですね。人工知能でもできそうな会話です。しかし、「同意」に加えて相手の語彙をそのまま返す、これで基本的には成立してしまうのが雑談なのです。最初は使ったことのない脳の使い方に戸惑うでしょうが、慣れればほとんど脳のメモリを食わなくなるでしょう。

 

コミュニケーションがうまい人がやっている2つのこと

後は、コミュニケーションがうまい人がやっているテクニックを武器として持っておくと、完璧です。

まず、共感的な相槌。これは3つも用意しておけば全く問題ありません。「そうですねぇ」「確かに」「ああー、なるほど」。この3つでいいです。機械的にやりましょう。コミュニケーションの上手な人も、基本はこれです。よく見ると、有限のバリエーションの相槌を適切なタイミングでランダムに繰り出しているだけです。

そして、笑顔。コミュニケーションが上手な人は「言葉」への依存度が低いのです。適切なタイミングで繰り出す快活な笑顔。これは百の言葉に勝ります。逆に、「ウッ、この話題対応しにくい」というようなときにイヤな顔をするのはおすすめできません。というのも、「笑顔」の強烈な効力の逆が発生してしまうからです。

笑顔は鏡の前で練習です。訓練あるのみです。目が笑えなくても口は笑えます。意識して笑おうとすると顔が引きつることもありますが、これは「笑おう」とするからです。口角を持ち上げれば自然に目尻は下がります。この顔の形を覚えて、繰り返すだけです。筋トレなんかと一緒ですね。動作を繰り返し、何度もフォームを確認することで神経系が発達する。そのような現象が表情にもあるのだと思います。

先日、発達障害のある方に「あなたの笑顔、本当に訓練してきた人なのがわかります」と言われました。ウッ、悔しい、バレたかと思ったのですが、同族なので当たり前と言えば当たり前ですね。大丈夫です。「笑顔を作っている」と看破されたとしても、あなたは自分に微笑みを捧げる人間に悪意を抱くことはそうそうないですよね。たまに「ヘラヘラしやがって」みたいな方もいますが、少なくとも仕事の上でこういうタイプは完全に少数派です。気にする必要はありません。

 

【まとめ】
・雑談は、同意、同意、同意
・同意に慣れるまでは、とにかく相手の言葉を拾う
・笑顔は筋トレ!練習しよう

  

次の記事「相手との良好な関係維持には「苦労・努力・能力」に理解を示そう/発達障害の仕事術(31)」はこちら。

 

借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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