梅雨も後半戦に突入しましたが、雨の日が多い梅雨の時期、頭を悩ませるのは洗濯物です。雨だからと部屋干しするといや~なニオイがしたり、洗濯しているのに気づいたらタオルに黒ずみができていたり...そんな悩みを解決するべく、洗剤メーカー・花王の商品開発担当である中古場輝満さんおすすめの、梅雨時の洗濯術をご紹介します。
梅雨時期に悩ましい洗濯もののニオイの原因は「菌の隠れ家」である「バイオフィルム」
そもそも、あの嫌なニオイの原因は何でしょう?
それは、汚れや、ニオイの原因となるような「ニオイ菌」などのさまざまな菌がぎっしり詰まった「菌の隠れ家(※1)」である「バイオフィルム」です。バイオフィルムとは微生物が固相表面に形成した集合体のこと。菌自らが作り出す多糖やたんぱく質の複合体で、粘着性の高いネバネバした塊です。これが黒ずみやニオイなどの発生源のひとつとなってしまいます。
バイオフィルムは、衣類を着用したり洗濯したりする過程でさまざまな菌が付着し、食べこぼしや皮膚の角質などを栄養に増殖・形成。水分は菌の増殖の重要な要素のため、梅雨時期の洗濯物はバイオフィルムの成長にとって絶好の環境になり、いっそう強固になってしまいます。
特に増殖しやすいのが、洗面所などにかけられている木綿のタオルです。なぜなら洗顔や手洗いなどで濡れた状態が続きやすく、菌の栄養となる汚れがたまりやすくなってしまうから。花王の研究では、新品のタオルでも1か月ほど使用するとバイオフィルムが見つかり、半年も使うとバイオフィルムがぎっしり...という状態になる場合があることが分かったそう。
※1 多糖汚れのこと
くすみやニオイの発生源は、バイオフィルム
繊維に絡みつくバイオフィルム
このように、梅雨時のじめじめした環境で洗濯物を部屋干しすることは、バイオフィルムを増やしているようなもの。バイオフィルムができると、大きく以下の2つの事が起こり、黒ずみやニオイが発生してしまうのです。
①くすみの発生
バイオフィルムのネバネバの多糖類に汚れの粒子が吸着してしまうことで、タオルや衣類にくすみが発生しやすくなります。
②ニオイの発生
菌が栄養をエネルギーに換える際、代謝物を排出。この排出物に悪臭を放つ物質が含まれているため、バイオフィルムが多いほどニオイが強くなります。
プロが伝授!部屋干し洗濯テクニック
花王では、衣料用濃縮液体洗剤「アタックZERO」シリーズなど、バイオフィルムに強い洗剤の開発を手掛けています。商品開発担当の中古場さんによると、ニオイや黒ずみに負けない、部屋干しの洗濯術は以下の3つがポイントだそうです
花王商品開発担当の中古場輝満さん
洗濯テク①「晴れ間を待たずにこまめな洗濯」
「洗濯物をためこむのは、汚れを放置していることとイコールです。汚れが落ちにくくなってバイオフィルムも増えやすくなるので、なるべくこまめに洗いましょう。梅雨時は『晴れ間を待って...』と思いがちですが、その間にバイオフィルムは増えているかもしれません。また、洗濯物を溜め込むと洗濯機にぎゅうぎゅうに詰め込むことになり、洗濯物が洗濯槽の中でうまく動かず、汚れをしっかり落とせません。洗濯物は洗濯槽の7〜8分目が目安です」
洗濯テク②「早く乾かすために"空気"を味方に」
「部屋干しの場合、洗濯物が密着しているとなかなか乾きません。布と布が重なり合わないように、空間をつくって干しましょう。扇風機やサーキュレーターで、衣類に直接風を当てると早く乾きます。エアコンのドライ機能や除湿機を利用して湿度を下げるのもありです。また、生乾きの洗濯物に当社の『リセッシュ除菌EX』を使うと、部屋干し特有のニオイを防ぐことができます」
洗濯テク③「バイオフィルムに効く洗剤を選ぶ」
「『菌の隠れ家』であるバイオフィルムは、一般の除菌洗剤や漂白剤(※2)では落とせません。高濃度の塩素系ハイターに長時間つけておけば、除去することができますが、布地のダメージや変色のリスクも大きくなってしまいます。そこでオススメなのが、バイオフィルムを発見した当社だからこそ開発できた『アタックZERO』シリーズ。繰り返し洗濯することで、非常に強固なバイオフィルムを唯一(※3)除去(※4)することがきます」
※2 花王の除菌洗剤・酸素系漂白剤 ※3 花王の液体洗剤内 ※4 繰り返し洗たくすることで多糖汚れ(菌の隠れ家)を除去できます
花王の「アタックZERO」シリーズ