黒豆や小豆、金柑は、古くから日本で取り入れられ薬のない時代には不調の改善のために、さまざま健康維持に、活用されてきました。それだけ栄養面で優れている食材でもあります。そしてホッと心身を和ませてくれ体にじんわりとやさしく作用してくれます。年末年始はこうした「和」を意識した行事や食事に触れる楽しい季節です。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに、「ゆで小豆の作り方と活用レシピ」を教えてもらいました。
【前回】体にやさしいお正月料理。動脈硬化の予防などにも期待! ふっくらつやつや「黒豆密煮」と活用レシピ
ストックが便利「ゆで小豆」
ゆで小豆を作っておくと甘味がほしいときにそのまま楽しめたり、お餅にからめたり、おしるこにしたりと、すぐに使えます。
意外と煮物などに加えて料理に活用もしやすいです。
100gあたり207kcal/塩分0.4g
材料(できあがり700g)
小豆...200g
水...1L
(A)砂糖...200g
(A)塩...小さじ1/2
作り方
(1)小豆は洗ってざるに上げて水をきったら、鍋に入れて水1L(分量外)を加える。ふたをして火にかけ、沸騰してきたらふたを取って強火で5分、ゆで汁が茶色になるまでゆでる。
(2)ざるに上げる。これでアク抜きが完了。
(3)鍋に小豆を戻し、水を加えて強火にかける。沸騰してきたら弱火にしてアクを取り、落としぶたをのせ、ふたを少しずらしてのせ、ふつふつと煮立つ程度の弱火で1時間30分煮る。ゆでている間、ゆで汁が常に豆の上に3cmほどあるように水を足しながら煮ていく。
(4)小豆が十分やわらかくなったら火を止め、ゆで汁が小豆をやっと覆う程度まで汁を減らす。
(5)(A)を加え、砂糖が溶けたら弱火で10分煮て火を止める。煮るときは木べらなどで混ぜないこと。小豆はやわらかいのでつぶれてあんのようになるので注意。完成したらそのまま一晩おくと、豆の芯まで甘味がしみる。
●冷蔵で1週間、冷凍で2カ月保存できる。
●冷凍した小豆を解凍するときは、冷蔵庫に移して自然解凍する。
※保存容器は清潔で完全に乾いたものを利用する。
小豆200gを圧力鍋で煮る場合
(1)小豆を洗ってざるに上げて水をきる。
(2)鍋に入れ、水1L(分量外)を加える。ふたをして火にかける。沸騰してきたらふたを取り、強火で5分、ゆで汁が茶色になるまでゆで、ざるに上げる。これでアク抜きが完了。
(3)小豆を圧力鍋に入れ、水4カップを加え、落としぶたとふたをする。圧がかかったら弱火にし、25分加熱して火を止める。
(4)圧が下がったらふたを取り、ゆで汁が小豆をやっと覆う程度まで汁を捨てて減らす。
(5)砂糖200gと塩小さじ1/2を加え、砂糖が溶けたら弱火で10分煮て火を止める。このとき木べらなどで混ぜないこと。このまま12時間おくと豆の芯まで甘味がしみる。
ゆで小豆レシピ
鶏肉と小豆の煮物
1人分300kcal/塩分1.6g
材料(2人分)
ゆで小豆...70g
鶏もも肉...200g
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)ラー油...小さじ1
作り方
(1)鶏肉はひと口大に切り、耐熱ボウルに入れ、(A)を加えてまぶす。
(2)(1)にゆで小豆を加え、ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで4分加熱し、取り出して混ぜ、器に盛る。
春菊と小豆のスープ
1人分258kcal/塩分1.5g
材料(2人分)
ゆで小豆...100g
春菊...1束(約140g)
豚ひき肉...100g
(A)しょうゆ...小さじ1/2
(A)黒こしょう...少々
サラダ油...小さじ1
にんにくのみじん切り...小さじ1/2
水...300ml
しょうゆ...小さじ2
黒こしょう...適量
作り方
(1)春菊は根元を切り落とし、4cm長さに切る。豚ひき肉は(A)をもみこんで下味をつける。
(2)鍋にサラダ油とにんにくを入れて炒める。香りがたってきたらひき肉を加え、色が変わったら分量の水を加えて沸騰させる。
(3)弱火にしてアクを取り、ゆで小豆と春菊、しょうゆを加え、ひと煮したら器に盛り、黒こしょうを振る。
小豆ミルク
1人分139kcal/塩分0.3g
材料と作り方(2人分)
ゆで小豆(100g)を1/2ずつ器二つに入れ、牛乳(100ml)をそれぞれに半分ずつ注ぐ。
あんバタートースト
1人分293kcal/塩分1.0g
材料(2人分)
ゆで小豆...100g
食パン(6枚切り)...2枚
バター(4等分する)...小さじ2(8g)
作り方
(1)食パンをトーストし、それぞれにゆで小豆をのせる。
(2)1枚を半分に切って皿に盛り、バターをのせる。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)