身近な発酵食品として注目されている納豆。じつは、酢を加えるだけで食べやすくなり、健康効果もグンと上がるのをご存じですか? ご飯にかけるのはもちろん、料理にも活用できるアイデアをご紹介します。今回は、料理家・調理師・国際中医師の井澤由美子(いざわ・ゆみこ)さんに「酢と納豆の相乗効果と酢納豆の作り方」について教えていただきました。
納豆に酢を混ぜるだけ!
酢と納豆の相乗効果が期待できます
発酵食品作りをライフワークとし、体にいいレシピを多数考案している井澤由美子さん。
とくに酢納豆はお気に入りで、毎日朝晩2回食べているのだそう。
「納豆に酢を加えて混ぜるだけで、胃も体もすっきり。美肌効果や骨の強化、腸内環境改善などいいことずくめで、"最高の美容食"と呼んでいるほどです。3日間で体調が変わることも!」
二つを合わせることで、酢の酸味や納豆の粘りなど、食材のクセがマイルドになるのもメリット。
「サラッとのど越しが良く、食べやすくて料理にも使いやすいですよ」
納豆と酢のいいとこどり。毎日続けると効果大!
【酢】
米酢
酢のいいところは...
●内臓脂肪を減らす
毎日、大さじ1程度の酢を摂ることで、生活習慣病の原因になる内臓脂肪を減少させる効果が。
●カルシウムの吸収率をアップ
酢といっしょに摂るとカルシウムの吸収率がアップ。効率良く骨粗鬆症の予防ができます。
●腸内の善玉菌を増やす
酢に含まれるグルコン酸は腸の善玉菌の活動を活発にし、腸のぜん動運動を促進して便秘を改善します。
【納豆】
小粒
納豆のいいところは...
●良質なたんぱく質が豊富
納豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆が原料。筋肉を作るために欠かせないたんぱく質が豊富です。
●血液がサラサラに
たんぱく質分解酵素「ナットウキナーゼ」が、血栓の素となるたんぱく質を分解し、血流を良くします。
●美肌効果がアップ
皮膚の再生を促すビタミンB群、しみやしわを予防するといわれるレシチンなど、美肌成分が豊富。
「酢」×「納豆」の組み合わせで簡単に作れる
「オリジナル酢納豆」
酢納豆の材料は、酢、納豆、調味料だけ。
組み合わせ方によって食感や味わいが変わるので、自分好みの酢納豆を作ってみましょう。
基本の酢納豆
よく混ぜると粘りやにおいが軽減し、食べやすくなります
1人分53kcal/塩分0.1g
材料(作りやすい分量・1~2人分)
納豆(小粒)...1パック(50g)
米酢...小さじ2~大さじ1
しょうゆ...少々
(または納豆に添付のたれ、塩ひとつまみ、ポン酢しょうゆ少々でもよい)
作り方
納豆に米酢を加えて、白くふわふわに泡立つまでよく混ぜる。しょうゆを加えて混ぜる
【納豆】納豆は好みのもので
いちばん使いやすいのは小粒ですが、好みでひきわりや大粒でも。ソースやドレッシング風に使いたいときはひきわりがおすすめ。
【酢】酢を変えても!
基本は米酢を使いますが、黒酢に替えるとコクが出て味に深みが増します。りんご酢などの果実酢にすると、さっぱりとした味に。
【調味料】好みで味つけして
味つけは、しょうゆ、納豆に添付のたれ、塩の他、ポン酢しょうゆなどもおすすめ。ごま油やオリーブ油で風味を加えても。
オリジナル酢でこだわりの酢納豆に!
昆布やきのこ、煮干しなどを酢に漬けるだけで、自家製酢も簡単に作れます。
うま味が加わり、さらにおいしい酢納豆に。
「昆布酢」
上質な昆布を半日ほど漬けると、和食に合う品のあるうま味酢に。
作り方
米酢1と1/2カップに昆布8gを入れる。
「きのこ酢」
具も食べられるきのこ酢。きのこは何種類か使うとうま味がアップ。
作り方
① しめじ、えのきだけ各1パックは石づきを取り、ほぐす。しいたけ2個は軸を取り、四つに手で裂く。
② 米酢、水各3/4カップ、塩小さじ1、砂糖大さじ1を混ぜ、①を加える。
「煮干し酢」
煮干しのうま味がたっぷり。漬けた煮干しは南蛮漬けなどにしても。
作り方
米酢1と1/2カップに煮干し20gを入れる。
「ゆず酢」
ゆずの香りがさわやかな果実酢。刺し身、中華料理などにおすすめ。
作り方
米酢1と1/2カップに、ゆず1個分の果汁と薄くむいた皮を入れる。
取材・文/坂本典子、佐藤由香(シェルト* ゴ) 撮影/吉田篤史