子どもの勉強、丁寧に教えると損をする・・・!? 得する教え方「どこがわからないかを聞く」

のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。

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「教える」よりも「どこかわからないか」を聞く

数学教師をしている50代の男性、Kさんは、私のコーチングを受けるまで生徒に対して、「教えなくては」「理解させなくては」と思って授業をしていたそうです。

数式を理解できればゴール。

点数を取れればゴールだと考えていたと言います。

当時彼は、生徒からわからない問題を聞かれたら、「ここに注目して」「こうやって式を立てて」「こうやって計算して」......と、自分で手を動かして教えていたそうです。

しかし、この方法だと最初のうちは「なるほど! わかりました」と喜んで帰っていくのですが、新たにわからない問題が出てくると、すぐに「やっぱりわかりません」とやってくるようになります。

何度もつまずいているうちに、やがてやる気が続かなくなってしまい、「やーめた」となってしまう生徒が多かったそうです。

そこで私はKさんに、「方法を教えるのをやめて、生徒が自分で考えるように導きなさい」と言いました。

それ以来Kさんは、自分が「教える」のではなく、生徒たちに「どこがわからないのか」を問いかけるようになったと言います。

具体的には、生徒自身に「理解できている部分」と「理解できていない部分」の境目をはっきりさせるようにしたとのこと。

すると、その先は、相槌を打ったり、ほんの少しヒントを与えるだけで、生徒自らが問題を解けるようになっていったそうです。

Kさんは言います。

「数学『を』教える」のではなく、「数学『で』何を伝えたいのか」という視点を持つこと。

先生に教えられるだけでは、いつまでたっても自分でできるようにならない。

しかし自分で考えたことは、その子の力になる。

これまで以上に数学の教師という職業にやりがいを持って取り組めるようになったということで、私にとっても嬉しい報告となりました。

【得する人がやっている話し方】
教えるのではなく、自分で考えるように導く

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相手に好かれる合いの手や聞きたいことを引き出せる質問術など43のコツが全5章で紹介されています

 

新井慶一(あらい・よしかず)
兵庫県神戸市出身。心感動メンタルコーチ。笑う大人プロジェクト株式会社代表取締役。幼いころから「口下手」「自己肯定感が低い」「あがり症」と、コミュニケーションの三重苦を持つ。コーチングの道へ進み、話し方メソッドを生み出した。のべ8000人以上にコーチングを実施し、日々コミュニケーションの楽しさを普及している。本書がデビュー作。

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『100%得する話し方』

(新井慶一/すばる舎)

話をしたいと思っているうちは、会話で損する!? 「話上手」になるために知っておくべきは、話し方と聞き方のコツ。より深い話を引き出す相づちや、強い興味を示すリアクションなど、家庭で、仕事でと、あらゆる対人関係ですぐに役立つ「会話の秘訣」が学べます。

※この記事は『100%得する話し方』(新井慶一/すばる舎)からの抜粋です。
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