春になると食べたくなるたけのこ。アク抜きなど手間のかかるイメージもありますが、今の季節だからこそ旬の味を気軽にたっぷり楽しみたいですよね。そこで今回は、料理研究家の武蔵裕子(むさし・ゆうこ)さんに「たけのこの下準備」と「たけのこの保存方法」を教えてもらいました。
半調理で保存すればおいしさが長持ちします
やわらかくてみずみずしい春の野菜。買ったら新鮮なうちに食べ切るのが理想ですが、たくさん手に入ったり、使い残しそうなときは保存食にするのがおすすめ、と、料理研究家の武蔵裕子さん。
「春野菜は水分が多くておいしいのですが、傷みやすい側面も。調味料であえたり、生のまま冷凍しておくと、鮮度を落とさずに保存でき、おかずのアレンジにもすぐに使えるので便利です」
今回は、春野菜のなかでも保存食に向くたけのこを紹介します。
左から「甘酢しょうが玉ねぎ」、「たけのこの塩オリーブ油漬け」、「塩麹キャベツ」
歯ごたえと風味の良さは旬ならでは
たけのこ
水煮、しょうゆ味、オイル漬けと、風味違いで保存を
独特の香りとコリコリとした歯ごたえが楽しいたけのこ。
山菜と並んで春に食べたい野菜の一つですが、おいしく食べるには何よりも鮮度が大切。
「たけのこは収穫後、時間とともにえぐみが増してしまうので、できるだけ新鮮なものを手に入れましょう。アク抜きは、米ぬかを入れた湯でゆっくりゆでるだけ。下ゆでしたら、水煮として残すもの以外は油をからめたり、味つけをして保存しておくと、炒めものや炊き込みご飯がすぐ作れますよ」
【下準備】たけのこの水煮
大きめの鍋で1時間半ほどゆでるだけなので簡単です。ゆでたたけのこは、部位別に切り分けておくと調理のときに便利。
●保存 冷蔵で約1週間
水煮のまま保存もOK
水をひたひたに入れ、冷蔵室で保存して(水は毎日取り換える)。
材料(作りやすい分量)
たけのこ...小2本
米ぬか...大さじ2
作り方
① たけのこはたわしで洗って水けを拭き、根元のイボ状の斑点の部分をそぎ落とす。
② 穂先は斜めに切り落とし、縦に1本、深めの切り込みを入れる。
③ 鍋にたけのこ、かぶるくらいの水、米ぬかを入れて中火にかけ、煮立ったら弱めの中火で1時間半ほどゆでる(浮かないように金属製の落としぶたや耐熱皿をのせる)。
④ 根元に竹串を刺し、すっと通るくらいになったら火を止め、ゆで汁につけたままさます。できればひと晩ほどおき、皮をむく。
⑤ 穂先、中ほど、根元の3等分に切り分ける。