春のキャベツってやわらかくてみずみずしく美味しいですよね。でも傷みやすいのも気になるところ。だからこそ、新鮮なうちに半分は生でいただいて、半分は保存食にすれば、2度楽しむことができます。そこで今回は、料理研究家の武蔵裕子(むさし・ゆうこ)さんに「春キャベツの保存方法」について教えてもらいました。
半調理で保存すればおいしさが長持ちします
やわらかくてみずみずしい春の野菜。買ったら新鮮なうちに食べ切るのが理想ですが、たくさん手に入ったり、使い残しそうなときは保存食にするのがおすすめ、と、料理研究家の武蔵裕子さん。
「春野菜は水分が多くておいしいのですが、傷みやすい側面も。調味料であえたり、生のまま冷凍しておくと、鮮度を落とさずに保存でき、おかずのアレンジにもすぐに使えるので便利です」
今回は、春野菜のなかでも保存食に向くキャベツを紹介します。
左から「甘酢しょうが玉ねぎ」、「たけのこの塩オリーブ油漬け」、「塩麹キャベツ」
やわらかく、みずみずしさにあふれる春キャベツ
半分は生で、半分は調味料であえて
春に収穫されるキャベツは「新キャベツ」とも呼ばれ、巻きがふっくらとゆるやかなことが特徴。
葉はやわらかく、内側まできれいな黄緑色なので、彩りを生かしたサラダや即席漬け、あえものなどの生食に特に向いています。
「1玉買ったら、半分は生食、半分は保存食にして、新鮮なうちに使い切りましょう。食べやすい大きさのざく切りにしておくと、炒めものにも汁ものにも使いやすいですよ。加熱は短時間で。さっと火を通して甘味を引き出して」
保存方法①:キャベツのごま油あえ
塩とごま油をもみ込んでおくと、味がしみてキャベツがしっとり、やわらか。野菜炒め、ホイコーローなどの炒めものや、焼きそば、ちゃんぽんなどにおすすめ。
●保存 冷蔵で4~5日
材料と作り方(作りやすい分量)
① 春キャベツ1/2個(250~300g)は3cm角ほどのざく切りにし、ボウルに入れて塩少々、ごま油大さじ4を加える。手でもみ込んでなじませる。
② 保存袋に入れて冷蔵室でひと晩おく。
保存方法②:冷凍キャベツ
ざく切りにして、生のまま冷凍するとパリパリのフリーズドライ風に。冷凍で繊維が壊れるので、あんかけ、汁ものなどしんなりした食感を味わう料理に向きます。
●保存 冷凍で約3週間
材料と作り方(作りやすい分量)
春キャベツ大5枚は芯を除き、3cm角ほどのざく切りにする。洗って水けを拭き、保存袋に入れて冷凍する。
保存方法③:塩麹キャベツ
うま味のある塩麹をもみ込んでおくことで薄い塩味がつき、調理の時短や減塩ができます。市販の塩麹は塩分が多い場合もあるので、味をみて量を減らしても。
● 保存 冷蔵で4〜5日
材料(できあがり約350g)
春キャベツ...1/2個(250~300g)
塩麹...大さじ3~4
作り方
① 春キャベツは3cm角ほどのざく切りにし、ボウルに入れて塩麹を加える。手でもみ込んでなじませる。
② 保存袋に入れて冷蔵室でひと晩おく(途中で袋の上から何度かもみ込むとよい)。
取材・文/坂本典子、佐藤由香(シェルト*ゴ) 撮影/野口健志