いすに腰掛けて行ってもいいんです。知っておきたい「座禅」のやり方

日本人にとって、最も身近な宗教である仏教ですが「葬祭時のマナーは心もとない...」という人も多いのでは? そこで、仏教関連の著書を数多く執筆する長田幸康さんの著書「これだけは知っておきたい はじめての仏教」から、「お布施の相場」や「墓じまい」また「仏教の歴史」など「これだけは知っておきたい知識」をご紹介します。

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【座禅】
座禅、瞑想、マインドフルネス......違いは何?

お釈迦さまは菩提樹(ぼだいじゅ)のもとで座禅によって悟りを開いた。

静かに座って呼吸を整え、心と身体をひとつにする座禅は、インドに伝わるヨーガの修行に由来する。

座禅にはさまざまな作法があるが、お釈迦さまのように結跏趺坐と呼ばれる座り方が基本とされる。

目は閉じずに視線を落とし、腹式呼吸で呼吸を整える。

このとき数を数える方法もある。

雑念がわいてきても押しのけることはしない。

しかし自ら追いかけることもしない。

静かな環境で心をしずめていると、まわりの空気と一体になるような感覚を味わうことができるだろう。

座禅によって体感できる感覚は言葉を超え、本を読んだり話を聞いたりするだけでは得られない、深い体験をもたらしてくれる。

理屈ではなく体験するのが一番だ。

初心者のための座禅会を開催しているお寺も多い。

なお、瞑想(メディテーション)は広い意味で心を整える行ないであり、心の整った状態をも指す。

悟りの境地に至るための仏教的な瞑想が座禅と言えるだろう。

さらに近年、欧米を中心に、瞑想を行なう「マインドフルネス」という心のトレーニング法が注目されている。

瞑想によってストレスが低減され、集中力が上がり、創造力が高まるとされている。

日常や社会生活に活かすため、科学的にマニュアル化された瞑想がマインドフルネスと言えるだろう。

基本的な座禅のやり方

】雑念がわいてきても押しのけない。しかし自ら追いかけることもしない

】閉じずに視線を落とす

】腹式呼吸をする。最初は口から息を長く静かに吐き、次に鼻から静かに吸い込む

背中】背すじをまっすぐ伸ばす。最初に体を前後左右に揺らしていくと、背すじが伸びて体が安定する

】右の手のひらの上に左の手のひらを重ね、親指をくっつける「法界定印(ほっかいじょういん)」を結ぶ

】両足の足の裏を上に向けて足を組み、ひざが浮かないようにする「結跏趺坐(けっかふざ)」が基本。ただし、片足だけ上に向ける「半跏趺坐(はんかふざ)」でもよい

・座禅専用の座布団を使うと楽に足が組める
・正座やイスに腰かけて行なってもよい

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仏教の歴史から日本の寺社仏閣や法要関連の情報をわかりやすく紹介。特に5章の「仏教儀式」はすぐに役立ちます

 

長田幸康(おさだ・ゆきやす)
インドでダライ・ラマ14世に出会って仏教に目覚め、チベット寺院に住み込んで基礎を学ぶ。仏教とチベット文化に造詣が深く、チベットの仏教文化を巡るツアーの現地ガイドも務めた経験もある。ライフワークとして、国内外の信仰の地を訪ねる聖地巡礼を続けている。仏教関連の著書多数

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『これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教』

(長田幸康/KADOKAWA)

現代葬、墓じまい、改葬などの「今」こそ知りたい仏事雑学から、心を落ち着かせる瞑想、座禅、お遍路、御朱引まで、この1冊で「仏教」が丸わかり! 本書には歴史や習わし、教えなど「仏教の基本」を知ることで日常生活や人生を送る上で役立つノウハウが詰まっています。人間関係や私生活のしがらみから解放されて物事の執着が消え、いつの間にか心が軽くなる。今の時代にピッタリの一冊です。

※この記事は、「これだけは知っておきたい 図解 はじめての仏教」(長田幸康/KADOKAWA)からの抜粋です。
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