日々の暮らしや仕事でイライラ...それ、消したいと思いませんか? そこで、「行動の習慣化でストレスは消せる」という医学博士・矢作直樹さんの著書『あらゆるストレスが消えていく50の神習慣』(ワニブックス)から、心が穏やかになる「日々の暮らしの方」のヒントをお届けします。
朝、目が覚めたら、 大きく一回深呼吸をする
皆さんが、これを読んでいるということは、今日、眠りから目が覚めたということです。
目が覚めることは奇跡です。
奇跡的に、今日という日が始まったのです。
私は救急の現場でたくさんの患者さんを診てきました。
多くの人が助かった一方で、助からなかった人もいます。
仕事を通して、一番残念に思ったことは、今、多くの人が生きていることを当たり前だと勘違いしているということです。
生きていて、当たり前。死は想定外。
戦後教育の中で、失ってしまったものの一つは死生観だと思います。
私の親の世代は大正生まれでした。
多くの人が祖国を守るために戦い、命を失いました。
ですから、生き残った人は、生きていることに申し訳なささえ感じていたようでした。
だからこそ、亡くなった人の分まで頑張ろうとしてきたのではないで しょうか?
私が医師として、まだ駆け出しの頃は、医療も今ほど発達しておらず、今なら快癒が見込まれる病気で亡くなる人も多くいました。
しかし、亡くなった患者さんの遺族からいつも労いの言葉をいただいたものです。
「いろいろ手を尽くしていただいて、ありがとうございます」
今は、逆です。
昔でしたら、助からないような状態でも、最新の治療とスタッフの熱意で延命できることも増えました。
でも、しばらく持ちこたえた末に亡くなられたら、「東大病院に連れてきたのに、なんでおじいちゃんが死んでしまうの」と、ご家族は気の毒なほど取り乱します。
人は100パーセントの確率で必ず死にます。
しかも、それがいつになるのか誰もわからないのです。
通勤中に事故に遭うかもしれません。
アルバイト中に災難に巻き込まれるかもしれません。
夜、寝ている間に心臓麻痺や脳卒中になるかもしれません。
ですから、今日、目が覚めたことは奇跡です。
私は目が覚めたときに、横になったまま、まず深呼吸を確かめるようにゆっくりしてみます。
しかも、一回だけ。
この後、無意識に吸って吐いてを繰り返すので、最初の一回くらいは意識的に大きく吸って吐いてみます。
吸ってから吐いても、吐いてから吸っても、自分のやりやすいほうでいいと思います。
私がご案内する習慣はきっちりとしたものではありません。
ですから、皆さんがやりやすいように、自分にしっくりくる形でアレンジしてください。
深呼吸は立たないとやりにくいと思ったら、それもよいでしょう。
冬は寒いので、布団から出ずに、寝たままするでもよいでしょう。
十回くらいやらないと、やった気がしないというなら、たくさんするのもよいでしょう。
大切なことは、一日一回でいいので、意識的に呼吸をしてみることです。
人は寝ている間も休まず、一日二万回ほど、呼吸しています。
朝、目が覚めたら、大きく一回、深呼吸をしてみましょう。
「あっ、息が吸える!」
そう感動できるようになったら、自然と自分の身体に感謝し始めている証です。
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