LINEは「即レス」がマナー...それ、ネット依存かも?自分も相手も縛りつけない返信方法

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「ネット依存」と「スマホ依存」がつらいのはなぜ?

「即レス症候群」という用語、ご存知でしょうか。平成22年9月7日の朝日新聞の記事に、1日なんと300件ものメールをやり取りする女子中学生の記事が掲載されていました。メールの相手はクラスや塾の友だちなのですが、受信したらすぐに返事を送れるよう、風呂やトイレでもケータイやスマホを手放せない日常生活です。

自分が「即レス」しても、相手がそうとはかぎりません。こちらからメールを送って返信がすぐに来ないと、「自分が嫌われている」という不安も強くなると、記事には書いてあります。

ビジネスでも、メールへの返信のスピードを、ことさら強調している記事も少なくありません。返信の内容や質よりも、スピードを重視するのは、間違ってはいません。返事がすぐに来ると、心証が良くなるのも事実です。

しかし、「即レス」やLINEの「既読スルー不可」は、いわゆる「ネット依存症」の氷山の一角とも言えます。生徒、学生でもこのように気を遣うのですから、大人のビジネスパーソンはもちろんです。

「早く返事をしないと、相手に失礼」「すぐに返事をしておかないと、処理し切れない」など、理由はいくつかあるでしょう。一見、相手への配慮があるように見えますが、その実は、過剰な思い込みに原因があることが少なくないものです。「メールにはすぐに返事をすべき」という、「すべき理論」が、すべてのひとに通用するかはわかりません。

一方的に自分のルールを他人にあてはめている場合もあります。なんでもきちんとやらないと気が済まないまじめなひとに、このような強迫的傾向はついてまわります。

相手に期待しない。自分も相手を縛らない

「即レス」縛りで苦しいひとには、ネット依存の傾向が垣間見えます。依存というと薬物やアルコールなど悪いイメージですが、ネット依存というと、現代風、あるいは仕事熱心ではないかという錯覚を抱くかもしれません。

しかし、ネット依存も笑い事では済まなくなってきています。カリフォルニア州立大学のラリー・D・ローゼン教授は、共著書『iDisorder』(邦題:毒になるテクノロジー、児島修訳)の中で、Apple製品にかこつけて、iDisorder(ITの過剰使用による精神的問題)という概念を提唱しています。

数十秒おきにスマホを触ってしまう、ポケットに振動を感じてケータイやスマホを取り出しても、何の着信もない、このような経験が頻繁であれば、iDisorder と言われても仕方ないかもしれません。

最近では、メールやSNSでのリプライが頻回で、それに付き合うのが疲れてしまうという悩みもよく聞きます。不安で寂しい人、SNS依存気味のひととは、正直に付き合っていると、こちらが消耗してしまいます。オフライン時間を長くすることで対応したり、公私にわたって多忙な様子をさりげなくアピールしておくのも効果的でしょう。

「即レス」縛りでしんどくなってしまったら、どう考えればいいのでしょうか。まずは、本当に「即レス」が必要か吟味してみましょう。特にビジネスがらみの用件は、ある程度煮詰めてからメールをしたほうが、結果的にお互いに都合のいい場合もあります。

その際には、「即レス」でも「○日までにまたメールします」と、ごく短い文をメールしておくのが親切です。定型文に入れて短縮入力できるようにしておけば、即レスの負担は減るでしょう。

そして何より、急ぎの用件で返信を待っている場合以外は、相手に「即レス」を求めないことです。

返事が来ないくらいで不安になっているようでは、先ほど紹介した中学生となんら変わりありません。相手に「即レス」は期待せず、しかし返信の期日は示しておくのが、大人の流儀ではないでしょうか。

レスポンスのあいだにも、インターバル、あえて言えば「休み」時間を入れてもいい場合があることも、確認しておきましょう。

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055-syoei-yasumu.jpg科学的根拠と臨床経験を基に、過ごし方や取り方など「休み」について、5章にわたって徹底解説

 

西多昌規(にしだ・まさき)

1970年、石川県生まれ。精神科医、医学博士。早稲田大学スポーツ科学部学術院准教授。東京医科歯科大学卒業。精神科専門医、睡眠医療認定医。専門は睡眠、身体運動とメンタルヘルス。主な著書に『精神科医が教える「集中力」のレッスン』『感情に振り回されない技術』(ともに大和書房)などがある。

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『休む技術』

(西多昌規/大和書房)

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※この記事は『休む技術』(西多昌規/大和書房)からの抜粋です。

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