何を言われても出演しない...女優オードリー・ヘップバーンが映画よりも大切にしたこと

世界中から愛され続ける女優、オードリー・ヘップバーン。実は、妖精ともうたわれるその容貌に、コンプレックスを感じていたそうです。銀幕の向こう側で抱えていた葛藤、仕事と家庭の両立、死について、など彼女の言葉がまとめられた『オードリー・ヘップバーンの言葉』(山口路子/大和書房)から、現代の女性たちが共感できるオードリーの名言を連載形式でお届けします。

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アンネ・フランクは自分


『アンネの日記』を読んだとき、私の胸は引き裂かれました。


スターとなったオードリーに何度も何度ももちこまれ、そのたびに断った企画がありました。

オードリーを主役とした『アンネの日記』の映画化の企画です。アンネの父親のオットー・フランクが直接オードリーに会いにきても、それでもオードリーは引き受けることができませんでした。

なぜなら、戦中のアンネの経験は、そのままオードリーの経験であり、ひとりは死に、ひとりは生き残った、それだけの違いであり、あまりにも、生々しかったからです。

ようやくアンネを演じることができたのは、ずっとあと、六十一歳のときのこと。それは「アンネの日記朗読コンサート」というスタイルでした。このころにはユニセフの活動は始まっていて、各地をまわる慈善コンサートとして、オードリー自らが希望したのです。

作曲家のマイケル・ティルソン・トーマスによる美しいレクイエム、淡々としたなかに想いがこめられたオードリーの朗読は、多くの人に感動を与えました。

仕事より、子ども


一生を振り返ったとき、映画はあっても、自分の子どもたちのことを知らなかったら、とても悲しいことです。


四十歳、二人目の子どもが生まれて、主婦業に専念しているとき、世界的スターであるオードリーのもとには、何本もの映画の脚本が届けられましたが、彼女は映画の話を断り続けました。

そのとき、もっとも大切なものを、できるかぎり大切にしたかったのです。ふわふわと名声に溺れる人たちとは対極にいて、地に足がついているというか、いま自分にとって、何が大切なのかということを、しっかりと見つめられる人でした。

焦りはなかったのかと疑問に思うけれど、それが表れている言葉は見つかりません。

子どもが何より大切、この考えは、頑固なまでに一貫していました。

「私にとっては、子どもたちの成長を見ることほど、楽しくてわくわくすることはありません。それに子どもの成長はそのとき一度しかないのです」

「美しさ」とは何か?『オードリー・ヘップバーンの言葉』記事リストはこちら!

054-syoei-odrori1.jpg美・愛・仕事・人生・使命の5つをテーマに、大女優オードリー・ヘップバーンが残した人生のヒントがつづられています

 

山口路子(やまぐち・みちこ)

1966年生まれ。作家。「ミューズ」「言葉との出逢い」「絵画と個人的な関係」をテーマに執筆。著書に『美神の恋~画家に愛されたモデルたち』(新人物文庫)、『美男子美術館』(徳間書店)、『軽井沢婦人』(講談社)など。2015年より朗読と音楽のコラボ『語りと歌のコンサート』や『山口路子のミューズサロン』を開催。

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『オードリー・ヘップバーンの言葉』

(山口路子/大和書房)

永遠の妖精と称され、気品わふれるオードリー・ヘップバーン。時代は変わったとしても、彼女に魅了される人は増え続けています。その秘密は、生き方や考え方からくる内なる美しさ。オードリーの言葉は、あなたの人生を変えるきっかけを与えてくれるはず。

※この記事は『オードリー・ヘップバーンの言葉』(山口路子/大和書房)からの抜粋です。
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