仕事は楽しいのに休日は不安に...「週末うつ」のもやもや予防策

友人や家族と遊んでいても、仕事が気になって楽しめない...休日に、心と体をちゃんと回復できていますか?そんな「毎日忙しい!」と感じるあなたに、精神科医・西多昌規さんの著書『休む技術』(大和書房)から、日常のパフォーマンスが上がる「上手に休むコツ」を連載形式でお届け。きちんと休めば、仕事もプライベートもさらに楽しめるようになります!

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休日を楽しめなくなっていませんか?

週末が近づくと、たいていのひとは「やれやれ」とばかりに、気分が晴れやかになるものです。ところが、最近では逆のパターンのひとも、見受けられるようになりました。

週末になると、手持ちぶさたで仕事が気になり、本来楽しいはずのプライベートを楽しめない。気分転換に出かけていても、仕事のことが頭から離れずのんびりできない。仕事に手をつけると少し安心するが、不安な気持ちはなくならない。

心当たりはないでしょうか?まじめすぎる人、仕事依存の傾向のあるひとだけではありません。非正規雇用やリストラなどの不安定な雇用情勢もあって、「いつクビになるかもしれない」「会社が心配だから、転職も考えないと」と、休日も仕事や収入のことが気になって、不安で休みを楽しめないひとが増えてきているのではないかと思います。

「あいつより先にリストラされたくない」とばかりに、同僚の成績や動向が気になりすぎてしまう場合もあるでしょう。社会的、経済的にも追い詰められてしまい、「週末うつ」と表現してもおかしくない状態になるケースもあります。

わたしが診療している患者さんでも、経済的あるいはキャリアの悩みや不安から週末を楽しむどころではないかたが何人かいます。

リズムを変えず、楽しみを付け足す感覚で

奇しくも、杏林大学医学部の古賀良彦名誉教授が、『週末うつ』(青春新書INTELLIGENCE)という書籍を上梓されています。その中で古賀教授は、「週末うつ」になるひとの特徴として、以下のような症状をリストアップしています。

・平日はちゃんと起きることができるのに、週末になると昼近くまで寝てしまう
・週末になると体調を壊してしまう
・せっかくの休みでも気分が晴れない
・休みの日でも仕事のことが気になって仕方がない

では、「週末うつ」傾向のあるひとは、どうして仕事のある「平日」には、うつにならずに済んでいるのでしょうか。おそらく、週末に比べて話し相手がいるなど、「孤独」ではないからでしょう。

平日に出勤すれば、少なくとも1日中無言で過ごすということはないでしょう。気が合わないひとと話さなければならないなどのストレスはあるでしょうが、話して気が紛れる相手はゼロではないはずです。やるべき仕事もあり、それなりに存在感を感じることができます。

一方で休日は、家族と一緒だとしても「孤独」なことが往々にしてありえます。週末の休みに特に予定もなく、誘い合わせて出かける相手もいない。家族との会話も途絶えてしまっている。やるべき作業もない。こんなことなら会社で仕事をしていたほうが、自分の重要性を感じることができる......。

書いていて自分にもやや当てはまるので、他人事ではありません。こうしたケースに有効な対策はあるのでしょうか。

生活リズムを乱さないこと――と書くと、「なーんだ」と思われるでしょうが、基本です。起床、食事、就寝は、なるべく同じリズムでおこなうのが理想です。

もうひとつ付け足すならば、休日の中に、「自分にとって楽しい」時間枠をつくることです。読書、テレビといったものでもいいですし、この際仕事に関係することでもかまいません。楽しいことが思い浮かばないならば、散歩など「気晴らし」程度でも入れましょう。

「休みが楽しくない」とは言いますが、休みに対する過剰な期待感も一因かもしれません。「仕事がないだけラッキー」「からだを休められて御の字」くらいに考えるのも、「週末うつ」防止には、役に立つと思います。

055-syoei-yasumu.jpg科学的根拠と臨床経験を基に、過ごし方や取り方など「休み」について、5章にわたって徹底解説

 

西多昌規(にしだ・まさき)

1970年、石川県生まれ。精神科医、医学博士。早稲田大学スポーツ科学部学術院准教授。東京医科歯科大学卒業。精神科専門医、睡眠医療認定医。専門は睡眠、身体運動とメンタルヘルス。主な著書に『精神科医が教える「集中力」のレッスン』『感情に振り回されない技術』(ともに大和書房)などがある。

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『休む技術』

(西多昌規/大和書房)

毎日忙しい、休日も仕事から頭が離れない、休みを満喫できない…それは休み方や休みの取り方に問題があるかも!?仕事の効率を上げる効果的な休みの取り方、そして、心からリラックスできる休日の過ごし方など休みに関するあらゆる具体的なコツが満載の一冊です。

※この記事は『休む技術』(西多昌規/大和書房)からの抜粋です。

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