「最近。ツイてないな~」という方、いませんか? では「運」がちょっとした習慣で劇的に変化するとしたらどうでしょう? 今回紹介するのは、20代で来日し、貯金残高3万円の極貧生活から、成功者へと駆け上がったインド人実業家、サチン・チョードリー氏の「小さな習慣」。必要なのはたったの1分。サチン氏が成功者に学び、実践してきた「運のいい人」になるための方法をご紹介します。
※この記事は『「運がいい人」になるための小さな習慣 世界の成功者が実践するたった1分のルール』(サチン・チョードリー/アスコム)からの抜粋です。
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■1分の習慣
迷ったときはすべて「YES」と答える
上司や先輩から何か課題を与えられたとき、それが難易度の高いものであったり、未知のものであったりすると、人は最初に不安をおぼえます。だからといって、そこで「でも」や「しかし」といった逆説を口にしたところで、何も生まれません。それよりも、すべてのことについて、「まずやってみる」というスタンスを持つことが重要です。
上司や先輩から新しいプロジェクトに関する相談を受けたり、何か頼まれごとをしたりしたときは、あなたもまず、「できます」と答える習慣をつけてみてください。
ユーザーを感動させた孫正義の「やりましょう」
数年前、ソフトバンクの孫正義さんが、ツイッターのフォロワーたちから寄せられるリクエストやアイデアについて、その場で「やりましょう」と応えて話題を集めました。
フォロワーの側からすれば、日本を代表する大企業をユーザーからのリプライひとつで動かせるなんて、夢にも思っていなかったでしょう。しかし、実際に実現した事案は少なくありません。
孫さんの素晴らしいところは、これを直接的なマーケティングととらえた点にあります。あいだに代理店やコンサルタントを介することなく、エンドユーザーからダイレクトに寄せられた声なのですから、これを重視しない手はありません。そこで、寄せられたリクエストに対して孫さんは、
◆「やりましょう」
◆「検討します」
◆「できました」
という3つのレベルで回答を使い分けました。リクエストの内容はさまざまで、スマホの筐体(きょうたい)の下取り手続きの簡素化や、キャリアメールの機能拡張、各種プログラムへの資金支援など、多岐にわたります。孫さんはその場で3つの回答で要望の内容を分類しただけでなく、それらについての進捗状況をインターネット上で公開しました。
自身、あるいは自社だけで対応しにくいアイデアについては、「検討します」といったんレスを返すこともありましたが、その流れを見ていると、これはあくまで「(実現の方法を)検討します」というニュアンスであることがわかります。いまでもサイトで確認することができますが、最終的に「できました」と完了した案件は、じつに162件にも上っています(2019年4月時点)。
かつてこれほどの瞬発力と行動力を備えた経営者が日本にいたでしょうか?
これこそ、ジュガール(インドに古くから伝わる、目の前の困難を解決するための思考法のような教え)に通ずる行動原理そのもの。スピーディーな行動が運を引き寄せるということを、トップクラスの経営者は皆、理解しているのです。まずは「できます」と答える。方法は後から考えればいいのです。これは印僑たちと同じ、DCAPのサイクルです。仮に結果がついてこなかったとしても、最初からやらないこととは、似ているようで大きな違いがあります。
なぜなら、実際に動いてみたことで、何が足りないのか、何が障壁となるのか、具体的な情報が得られているからです。この先、これが大きな武器に化けることがあるかもしれません。それは間違いなく、次のステップへの糧になるでしょう。
「不可能であることがわかった」。これもひとつの前進のかたちです。
<この習慣のまとめ>
まず「YES」と答え方法は後で考える
そのスピード感が運を引き寄せる
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