「最近。ツイてないな~」という方、いませんか? では「運」がちょっとした習慣で劇的に変化するとしたらどうでしょう? 今回紹介するのは、20代で来日し、貯金残高3万円の極貧生活から、成功者へと駆け上がったインド人実業家、サチン・チョードリー氏の「小さな習慣」。必要なのはたったの1分。サチン氏が成功者に学び、実践してきた「運のいい人」になるための方法をご紹介します。
※この記事は『「運がいい人」になるための小さな習慣 世界の成功者が実践するたった1分のルール』(サチン・チョードリー/アスコム)からの抜粋です。
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■1分の習慣
「自分は運がいい」と一日に5回言う
古来、インド人は口にしたことは実現すると信じてきましたが、日本にもそうした考え方を示す言葉があります。それは「言霊(ことだま)」です。日本では昔から、森羅万象(しんらばんしょう)すべてに魂が宿っているという考え方があり、言霊とは言葉に宿る不思議な力を示しています。頭のなかで考えるだけでなく、実際に口に出して言ってみることで、その言葉に力が宿る。それが言霊のパワーです。
誤解しないでいただきたいのですが、これは必ずしもスピリチュアルな話ではありません。イメージを言葉にすることで、意識により強く焼き付けば、人の行動は必ずそこに近づいていこうとします。
「やせなきゃな......」と漠然と頭のなかでぼやいているだけでなく、「絶対にやせるぞ」と何度も口に出して言ったほうが、ダイエットへの実行力が高まるのは間違いありません。「1カ月で3キロ落とす」など具体的な数値を掲げれば、さらに効果は上がるでしょう。
これが、言葉にすることの力です。
たとえば、アメリカの心理学者・ローゼンタールが提唱したピグマリオン効果もそれに近いものでしょう。ローゼンタールが行った実験は、教師が期待をかける生徒と、そうでない生徒の成績の伸びを比較したもので、実際に両者の間には明確な差が見られました。
この理論は、自分自身に対しても有効だと私は考えます。
つまり、自分に期待する言葉を口にすることが、人のパフォーマンスを左右するのです。
ポジティブな言葉を発するだけで、人は前向きになる
たとえば私は、このような言葉を意識的に口にするように心がけています。
「自分は運がいい」
「自分ならできる」
「必ずうまくいく」
口にするだけですから、1分どころか3秒もかかりません。これらの言葉を一日に最低5回、気づいたときに言ってみるのです。
人はポジティブなことを口に出すだけで前向きな気持ちになり、目標を言葉にすることで、その筋道をイメージする生き物。それはつまり、可能思考の扉を開くことと同義です。
また、ポジティブな言葉を繰り返し口にする習慣をつけることで、日常生活のなかにあるささやかな幸せが、より鮮明になるはずです。
たとえば、「自分は運がいい」と繰り返し口にすれば、日常のなかに埋没している「運がいい」ことに自然と目が向くようになります。外へ出かける日に空が晴れ渡っていれば、それだけで気持ちも晴れやかになりますし、たまたま飛び込んだレストランで思いのほかおいしい料理にありつけたとすれば、それもまた偶然の巡り合わせによるものです。
そうした見過ごしがちな幸運を、「自分は運がいい」と口にすることで、はっきりと認識できるようになるでしょう。そして、身のまわりにあるたくさんの幸運を発見できれば、何事に対しても前向きになれるのです。
何気なく口にするネガティブワードも厳禁
だから逆に、私は自分の部下がむやみにネガティブワードを口にすることを禁止しています。
以前、日本人の女性スタッフが私の前で、「私、60歳まで生きられるかなぁ」と口にしたことがありました。もちろん、彼女は漠然とした不安を何気なく言葉にしただけです。
しかし私は、「二度とそんなことを口に出しては駄目だ」と、彼女に強い口調で言いました。
言葉にすることで不安は具体化し、ネガティブな意識が働きます。
彼女が本当に健康長寿に不安を持って生きていくことになれば、ちょっと体調が優れない日や、年齢による衰えを感じたときに、必ず「ああ、やっぱり私はもう駄目なんだ」と、必要以上に負の作用を受け取ってしまうでしょう。
それが人生においてプラスに働くはずがありません。
<この習慣のまとめ>
口に出した言葉に現実が近づいていくそれが言霊の力
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40個の「1分の習慣」に加え、実践した人の体験談も紹介されています