18年間未開封!「いつか使う」が訪れなかったダンボールたち/ゆるりまい

ものを持たない暮らしを志して早十数年のゆるりまいです。

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汚家の許容範囲をさらに超えた春

この時期になると思い出すことがあります。それは祖母が定年退職して一緒に住むことになった時のことです。祖母は長年東京の大学に勤めていました。私と母は仙台で暮らしていたので、祖母の定年を機に、仙台で一緒に暮らし始めることになりました。

しかし当時から我が家は先祖代々の荷物がひしめく汚家。そこへものが全く捨てられない祖母が引っ越してくるとどういうことになるか......。東京の家の荷物をそっくりそのまま仙台に持ってくるわけですから、えぇ、察してください。家の荷物量は即キャパオーバーになりました。

リフォームで物置を作り収納

思えばあの時、祖母は東京で使っていた家具家電のほとんどを処分せず、仙台の家に持ち込みました。大体のものが仙台の家にあるものです。しかし祖母には処分するという概念そのものがありませんでした。特に仕事で使っていた資料や仕事道具は、自分の一部のように感じていたようです。それをそのまま収納するために、わざわざリフォームまでして、家の一角に物置を作りました。その頃の私はまだ小学校高学年。捨て変態のかけらもなかった私は、それをただただワクワクしてみていました。

 

結論からいうと、祖母が仙台に帰ってきて亡くなるまでおよそ18年もの間、一度も物置に収納した東京の荷物は解かれることはありませんでした。

18年間未開封!「いつか使う」が訪れなかったダンボールたち/ゆるりまい yururi-illust14.jpg

物置まで作ったのに、たったの一回もダンボールから出されなかったのです。どころか度々言い争いに発展してしまう喧嘩のタネの一つでもあった荷物でした。のちに祖母は認知症を患ってしまったので、家族である私たちがよく分からないまま整理&処分することになりました。きっとその中には祖母の意に削ぐわないこともあったでしょう。そう思うと、あの春に少しでも祖母が整理していれば、、、と思ってしまうのです。

春は新生活が始まる季節。人生の節目や季節の変わり目は、人は気持ちが前向きになります。特に春は暖かく、体が動きやすくなり過ごしやすい時期です。もし今、これを読んでいる方で、これからの生活が大きく変わろうとしている方がいたら、ぜひ一度家の中を見渡してみてください。小さなきっかけかもしれませんが、それが大きな変化をもたらしてくれるチャンスかもしれませんよ。

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ゆるりまい

大人3人と子ども1人と猫4匹暮らし。 本当はなんにも持たないで生活したい、 そんな願望を持ちながら生きています。著書に『わたしのウチには、なんにもない。』なんにもない部屋で赤ちゃんを育ててみればKADOKAWAなどがある。

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