いくら捨てるのが気持ちよくても、絶対に捨てないほうがいいものとは?/ゆるりまい

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前回までは、私なりの捨てるコツをご紹介してきましたが、今回は反対に捨てないほうがいいもののお話です。

前回のエピソード:手放していいの?迷ったときに私が心の中で唱えている5つの魔法の言葉/ゆるりまい


長らく、不要なものを捨てるのが三度の飯より好きな変態"捨て変態"としてやってきた私が、「これだけは捨てるな!」と思うものとは...

ずばり、"自分の好きなもの"です。

「は?何言っているの?当たり前でしょう?」と思うかもしれません。がしかし、捨て始めると、必ずぶち当たるのです。"そこまで使っているわけではないけれど好きなもの"の存在に...。

家中の捨てるものを分別していて、"そこまで使っているわけではないけれど好きなもの"を手に取った時、あなたならどうしますか?

でも好きだから...と捨てずに取っておきますか?大抵の人はそうするかもしれません。けれど捨てることが快感の時期である"捨てハイ"(と勝手に名付けました)になっている人は、それがなかなかできないのです。

不要なものを捨てることによって、暮らしは身軽になり驚くほど快適になります。私のように長年汚家で過ごしていた人間には、その捨ての恩恵はすさまじいもので、あまりの暮らしの変化に一気にのめり込んでは「もっと身軽になりたい!不要なものは捨てたい!」と、ゴミ袋を片手になまはげのような形相で家中を練り歩きます(あ、それはあくまで私の話ですよ!)。

それが捨てハイなのですが、その状態になるとストイックになるあまり、ものを持つ基準が厳しくなりすぎて"好き"という理由だけでは、あまり使っていないものを持っていることに心苦しさを感じます。

そして"使っていないのだから捨てなくては......"と自分を追い込んでしまうのです。

 
私は数年前まで、それはもうストイックにものを持たない人間を目指していました。けれど私はバッグが大大大大大好きで、コレクターかな?というほど持っていました。持たない暮らしをしたい自分とバッグをたくさん持ちたい自分。この大きな矛盾に、いつも悩んでいました。


そこで私は、一ヶ月間、バッグ禁月間を送ることにしました。よく使うバッグ3〜4つ(人によってはそれでも十分多いかも...笑)に絞って、それ以外のバッグを収納にしまって一切使わなくしたのです。もしそれでも普通に生活ができたら、"たくさんバッグを持ちたい"欲から解放されて、ますます理想のものを持たない暮らしが送れるのではないかと思ったからです。

結論からいうと、生活は送れました。バッグの数を少なくしたところで生死に関わるわけではないので、当然といえば当然かもしれません。しかし...全っっっっく毎日が楽しくなかったのです。次第に生活に張り合いを感じなくなり、お洒落する気にもなれず、いつもいつも同じバッグにうんざりしてきて、最終的には出かけるのも億劫に感じるようにまでなりました。 

自分がバッグ大好き人間だとは思っていたけれど、まさかバッグが自分の生活の幸福度まで左右するアイテムだとは...と驚きました。そしてそこで、いくらものを少なく持ってすっきり暮らせても、幸せじゃないなら意味はないと実感したのです。

改めてバッグたちを見てみれば、使う頻度はそこまで高くなくとも、たまに使うだけで幸せな気分になるバッグだってあるし、眺めるだけで嬉しくなるバッグもありました。持っているだけでも生活を彩ってくれる"好きなもの"は、それだけで十分持っていていい理由だったのです。

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バッグの中でも山葡萄やあけびの籠バッグが好きです

 
それからの私の"持たない暮らし"は引き算が鍵になりました。好きなものはたくさん持っていてもいい。でもたくさんものを持つことはストレスにもつながるので、その代わり、そこまで大事じゃないものはできるだけ持たないようにする。

自分にとって何が大事で、大事じゃないものは何か...その線引きをはっきりさせて全体のものの量を管理すればいいだけなのだなと分かったのです。

だからもし今、捨てハイ中の方がいたら、伝えたい!

どうか好きなものは、「今までは好きだったけど、もう十分だな」と思うもの以外は無理して手放さないでくださいね!

【次のエピソード】片付けが苦手な家族をどうするべきだった?汚家から脱するまでの長い道のり/ゆるりまい

最初から読む:"汚家"育ちのミニマリスト。家族の価値観を変えた出来事とは/ゆるりまい

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ゆるりまい

大人3人と子ども1人と猫4匹暮らし。 本当はなんにも持たないで生活したい、 そんな願望を持ちながら生きています。著書に『わたしのウチには、なんにもない。』なんにもない部屋で赤ちゃんを育ててみればKADOKAWAなどがある。

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