地震や水害などの災害が頻発しています。洪水警報や立ち退き避難、避難勧告など、市区町村から発令される「避難情報の基本」についてきちんと理解できていますか? 気になる災害時の避難について、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんに教えていただきました。
前の記事「地震!洪水!その時どうする?「警戒情報」「指定避難場所」を知って命を守ろう(1)」はこちら。
状況に応じて判断し、迅速に避難しましょう
在宅時に災害が起きた場合、的確な判断が必要になります。まず避難情報が発令されたら、避難できる時間があるかないかにより、立ち退き避難か屋内安全確保のいずれかを判断しましょう。
さらに洪水警報・土砂災害警戒情報、津波警報といった気象情報の種類をしっかりと確認して、下記を参考に状況に応じて避難しましょう。
「各自治体ではハザードマップを公表しており、西日本豪雨で倉敷市真備地区はマップ通りに浸水したほど正確でした。事前にハザードマップを入手して、住んでいる地域のリスクを確認しましょう」。(山村先生)
リスクを知っておけばいざというときに、迅速に判断できます。また事前に雨の日に家の周りを散歩して、危険の有無を把握しておきましょう。
■在宅時の避難の判断と流れ
(事前にハザードマップを入手し、雨の日散歩で家の周りを確認)
●避難情報が発令
避難情報が発令された場合は、避難所に行くべきか屋内にとどまるべきかを判断
●事前に避難準備をしておきましょう
・周囲の状況や経路が安全であるかを確認
・非常持ち出し袋を持ち出せる余裕の有無を確認
・携帯ラジオやテレビ、携帯電話などで情報を収集
【判断1】避難する時間的な猶予の有無
□経路が安全で時間がある
→立ち退き避難(水平避難)
市区町村が指定している避難所や、知人・親戚の家などの安全な場所へ移動
□経路が危険か時間がない
→屋内安全確保(垂直避難)
斜面から離れた、建物の2階以上の場所などで安全を確保。平屋なら2階以上の建物に避難
【判断2】気象情報の種類を確認する
□洪水警報・土砂災害警戒情報が発表された場合
→居住地区が危険区域の場合は指定避難所などに避難
□津波警報が発表された場合
→市区町村にある津波避難ビルの4階以上や高台に避難
●災害が終息したら、自宅に一度戻って被害の有無を確認
・自宅が住める状態かどうかを確認。
・不明の場合は専門家に見てもらう
・二次災害の危険性がないかも確認
【判断3】自宅の被害の大きさ・危険の有無
□被害が大きく危険で、生活が不可能
→指定避難所へ避難
□危険がなく、被害がない
→自宅で生活する
災害発生時や避難情報が発令された場合、まずは立ち退き避難(水平避難)か屋内安全確保(垂直避難)をしましょう。さらに洪水警報・土砂災害警戒情報、津波警報といった気象情報が発表された場合は市区町村の指定する避難所に避難するなど、上記を参考に移動しましょう。
また、災害が終息したら、自宅に一度戻って被害の有無を確認しましょう。被害が大きく危険で生活が不可能なら指定避難所へ避難。危険がなく被害がない場合は、自宅で生活を。避難方法、避難場所に関しては自治体により異なるので、必ず事前に確認してください。
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取材・文/中沢文子 イラスト/コウゼンアヤコ