災害はいつかではなく「明日」起こる。「凍り付き症候群」から脱却するには?

1803p005_01.jpg

 

日本はどこでも災害が発生する可能性がある

近年頻発する自然災害。最近は、過去に発生しなかった地域で大雨が降ったり、台風が上陸したり、竜巻が起こるなど、予想もしないことが起き続けています。一例に、熊本では断層が動く確率は0〜0.9%といわれていました。県民も熊本には地震など起こらないだろうと思っていたものの、実際には起こったのです。つまりこれまで地震や台風などが襲来しなかった地域でも、今後はいつでも起こり得る可能性が高まっているのです。

過去のデータによると、世界で発生したマグニチュード6以上の地震の10回の内2回は、日本で起こっています。世界で0.25%の国土しかない日本で、世界の20%の地震が起きているのです。現在の日本はいつどこで大地震が起きてもおかしくない状況なのです。いろいろな災害がありますが、地震対策をしておけば他の災害にも対応できますので、早めに備えましょう。

 

「凍り付き症候群」は次の三つを身に付け回避

突然災害が起こると、どうしていいか分からなくなり心身が凍り付いてしまうことがあります。これを「凍り付き症候群」といいます。この症候群になりやすい人は以下の二つのバイアス(先入観)も原因です。

東日本大震災が起こり7年が過ぎました。起きた直後は防災対策に取り組んだでしょう。でも7年たち維持できていますか? できていないなら「感情弱化バイアス」のせいです。

政府・防災関係機関は今後30年の間に、首都直下地震が70%の確率で起こるとしています。本来なら備えるべきですが、30年の間だから「まだ先だろう」と思い対策を先送りにする、これを「正常性バイアス」といいます。災害はいつでも起こると認識し、凍り付き症候群を防ぐために次の記事で紹介する三つを身に付けるといいでしょう。

 

凍り付き症候群を引き起こす 認知心理バイアスを知りましょう

1803p006_01.jpg

●感情弱化バイアス
つらい記憶ほど早く忘れたくなる心理状態を指す。加速度的に記憶の風化が進み、次の災害はまだ起きないだろう、自分だけは死なないと楽観的に考えてしまう。

●正常性バイアス
近い将来、大地震の発生確率が高いと聞いても、現在の正常な状態がずっと続くと思い込んでしまっていること。嫌なことは起きないと考えてしまう心理傾向。

 

◆凍り付き症候群とは?
予期せぬ事態が発生したとき、何が起こっているのか理解しようとするが、訓練・経験していないので、心と体が凍り付いたように動けなくなってしまうことを指します。

防災現金の備えを
災害に備え、自宅に現金を3〜5万円(家族の人数による)ほど置いておきましょう。公衆電話やコンビニエンスストアなどでの使用を考え、小銭は2000円ほど準備をしておくといいでしょう。

 

次の記事「いざというときカチンコチンにならないために。普段からやっておきたい非常時の備え(2)」はこちら。

取材・文/中沢文子 画像/防災システム研究所 イラスト/いなばゆみ

山村武彦(やまむら ・たけひこ)先生

防災・危機管理アドバイザー。防災システム研究所 所長。世界の災害の現地調査、研究を実施。日本各地で2,300回以上の講演、報道対応、執筆活動を通じ防災意識啓発に取り組む。大企業などの防災アドバイザーとして事業継続計画、防災・危機管理マニュアルの策定など、災害に強い企業・街づくりに携わる。「スマート防災災害から命を守る準備と行動(ぎょうせい)」など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。
PAGE TOP