のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。
望みが達成できることがわかれば、相手はどんな要望も「YES」と言う。
40代のTさんは、起業してそれなりに仕事はもらっていたものの、金額の決定権を持てず、いつも提示された金額そのままが報酬になっていたと言います。
このように、自分の主張をはっきり伝えることができず損をしている人は少なくありません。
ママ友や、プライベートな関係でも、いつも面倒なことばかり押しつけられているタイプの人です。
Tさんは、それまで会社員だったため、自分の仕事の価格をどう決めればいいかわからなかったそうです。
そこで私は、「相手の人生のためを思って聞いて、相手の人生のためを思って価格を決めなさい」とアドバイスしました。
それをきっかけに、彼女は話し方を変え、自分から言ったわけでもないのに、「またTさんに仕事を依頼したいので、今度はTさんのご希望の金額でお願いします」と言われることが増えたそうです。
多くの人は、「自分の主張を伝えられないことが問題だ」と思っています。
しかし、本当に自分の主張を通そうと思ったら、相手の言い分を聞くことのほうが近道なのです。
これには理由があります。
まず、相手の言い分をしっかり聞くと、その人が依頼したい仕事の先にある、目的が見えてきます。
そして、その目的を達成できることを伝えると、相手はその目的をかなえられるのなら、どんなにお金がかかっても、安いと思うようになるのです。
さらにその金額やサービス内容は、自分自身が言葉にしたことなので、欲しくなります。
Tさんの場合、相手の話を傾聴すればするほど、相手はTさんと仕事をしたくなりました。
結果、今では、この値段以上じゃないとお引き受けしないというラインを一度も下げることなく、仕事が続けられています。
【得する人がやっている話し方】
相手の真の目的を聞き出して、その目的を応援するように話す
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