「ひざのコブ」チェック の診断結果
「ひざのコブ」チェックで痛みなどを感じた場合、本来はゼリー状で軟らかいはずの「膝蓋下脂肪体」などの組織が硬くなっていて、そのことが痛みの元凶になっている可能性が高いと言えます。
実際に4つのポイントを押すと、「表面は軟らかいけれど、奥のほうが硬く、押し込むと痛みを感じる」というケースが多いと思います。
それこそがまさに、"膝蓋下脂肪体の正体"です。
下の写真を見てください。
「ひざのコブ」が主な原因で、ひざ痛が発生した症例(1)
エラストグラフィーによるひざの画像。青い部分が硬化した膝蓋下脂肪体。
これは、当院の患者さんのひざを特殊なエコー(エラストグラフィー)で撮影した画像で、「赤く見えるところ」は軟らかい状態、「青く見えるところ」は硬い状態になっていることを示しています。
このように、まるで隠れているかのような「硬くなった膝蓋下脂肪体」を、このチェックテストで見つけ出すわけです。
人によっては、押すことで痛み・硬さを感じるだけでなく、見た目からもすぐに「ボコボコとしたコブがある」「不自然なふくらみがある」とわかることがあるでしょう。
当院の患者さんでも、そうしたケースは少なくありません(下の写真参照)。
「ひざのコブ」が主な原因で、ひざ痛が発生した症例 (2)
変形性膝関節症と内側半月板損傷で通院中の女性(70代)のひざの状態。膝蓋下脂肪体は皮下脂肪ではないので、瘦せ型の方でもボコボコとしたコブが見られる。
ただ、いずれの場合にしても、膝蓋下脂肪体は軟らかい状態にしておく必要があります。
ちなみに、厳密なことを言うと、チェックする4つのポイントの中の「(3)お皿の骨のすぐ真上」には、膝蓋下脂肪体という組織はありません。
しかし、そのポイントにある組織=「膝蓋上嚢(膝蓋上包)」や「太ももの筋肉(大腿直筋)の腱」などが硬くなることも、間違いなくひざ痛を生み出す原因になります。
ですからやはり、適切なケアを施し、柔軟性のある状態に引き戻すことが不可欠なのです。