ひざが痛くて歩きづらい、痛くなりそうだから外出したくない――年齢を重ねて感じるそんなひざの悩み。理学療法士の土屋元明さんは「ひざの痛みの多くは、ひざ関節や軟骨の変形ではなく、ひざから足首までのねじれが原因になっている可能性がある。痛みをセルフケアすることはできる」といいます。そこで、土屋さんの著書『ひざのねじれをとれば、ひざ痛は治る 1日5分から始める超簡単ひざトレーニング』(方丈社)から、ひざ痛の原因や自宅で簡単にできるセルフケア方法をご紹介。実践して、自分で元気に歩く力を手に入れませんか?
ひざのしなりを見る
続いて、ひざの伸び具合を確認しましょう。
先に紹介した通り、ねじれの強さと伸び具合は相関している場合が多いのですが、自分の状態はどうかを確かめておきましょう。
そしてひざの伸び具合は筋力を発揮するために不可欠なものなので、伸びにくくなっている場合はそれを改善するケアを行いながら、同時にねじれのケアを行うのが効果的です。
ひざが伸びにくくなっていたら「伸び具合のケア」を!
すき間時間などを利用して、思いついたときに行っていると、ひざのしなりがとり戻せます。
テレビを見ながら、ペットを遊ばせながらなど、ながらケアを実践してください。
なお、体のトラブルを改善するケアというとたいそうな運動や、何パターンものストレッチをみっちりやらなければならないと思う人もいるかもしれませんが、それは誤解です。
動きのクセの積み重ねなどで数ミリのねじれや左右差という変化を起こしてきた体です。
小さな動きでズレを補正することも、十分なケアになります。
体はとても繊細なので、「大きくアプローチしなければ変わらない」という固定概念は捨て、むりせず、気持ちよく動かして、よく変わっていくイメージをもってケアしていきましょう。
●ひざのしなりの確認&ケア
① 足を伸ばして座り、5~10cmの物(折ったバスタオル)に足を乗せる
② ひざを上から軽く抑え、しなりを見る
【評価】
しなりがある:左右ともひざの裏が床に着き、左右差がなくしなる感じがある
やや硬:左右とももうちょっとでひざの裏が床に着く、または片方のひざは着くなど左右差を感じる
硬い:ひざは伸ばせるがしならない、または片方の足はもうちょっとでひざの裏が床に着く
バリ硬:ひざが伸ばせない、または片方の足は伸ばせるがしならない
●ひざのしなりをアップするケア
① 足を伸ばして座り、しなりがわるいほうのひざに手をそえる
* 両手で太ももをもち、足を軽くもち上げる。姿勢がつらければ壁などにもたれて行う
② 手をそえたひざをリズミカルに曲げ伸ばしする
* このとき、常につま先は内に向けて行う。痛みを感じたら、むりはしない。痛くない程度に伸ばす
③ しなるほうのひざもときどきは同様にケアをする
【最初から読む】ひざが痛い・・・その原因は「足がねじれてる」からかも? ひざ痛をまねく2タイプの「足のねじれ」
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ひざ痛の原因やその見立て、トレーニング方法などが全5章で紹介されています