働き盛りの世代にとって気になるテーマのひとつが親の家。両親が年を重ねていく中で、「親の持ち家、これからどうする?」と思いつつも何から手をつけていいかわからず、解決を先送りにしてしまっている人も多いのではないでしょうか。そんなモヤモヤを抱える人が、前向きに親の家の問題に取り組むきっかけとなるのが、『親の家を売る。 維持から売却まで、この1冊で大丈夫!』(永峰英太郎:著、高橋正典:監修/自由国民社)です。
本書は、住む人がいなくなった親の持ち家の管理や売却に必要な情報をまとめた書籍です。著者の永峰英太郎さんは実際に両親の他界と施設入所を機に、埼玉の実家の維持と売却を経験。予備知識の不足で苦労や失敗をしたことから自らの経験と取材、そして不動産コンサルタントの高橋正典氏のアドバイスをもとに本書を執筆したといいます。
その内容は、空き家の管理方法から相続や税金の手続き、実際に土地や家を売る際のステップまでを幅広く網羅。家の価値を知る方法や失敗しない不動産仲介業者の選び方など、知っておくとトラブルやムダな出費を防げる豆知識もチェックできる、親の家に関する悩みが軽くなる1冊です。
手続きやお金のことなど確実に役立つ知識も満載ですが、中でも重要な情報かついますぐ実践したくなるのが、第1章「親が老いてきたら、話し合っておきたい『家』のこと」のアドバイス。親の家のスムーズな維持、売却のためには家族で持ち家の方針を決めておくことが欠かせないそう。今後も持ち家に住み続けたいか、介護施設に入った場合に家はどうするかといった親の希望、また財産を相続する場合の家族での分割方法などを決めておくことが重要です。
なぜなら、家の持ち主が認知症になると家が売れなくなったり、定期預金を引き出せなくなったりするリスクがあるから。親が元気なうちに、家の名義人の変更や相続に関する遺言状、金融機関の手続きに必要な委任状を準備しておくこともポイントだそうです。
そして、親の家に関して役立つ意外な情報がご近所付き合いや親が懇意にしていたメンテナンス業者の連絡先。誰も住んでいない家の維持は空気の入れ替えや水まわりの管理、庭の雑草刈りなど、想像以上に大変だと著者は言います。いざという時に、ご近所さんやすぐに来てくれる水道工事業者などの手を借りられるように、親から連絡先を聞いておくことが大切です。
親の認知症や、施設入居に備えて......という前提の話し合いは、なかなか切り出しづらいもの。ただ、親が元気なうちに大事な家の今後を話し合うことが家族みんなの納得のために欠かせないと、本書は教えてくれます。
家族の思い出が詰まった家を前向きに未来につないでいくためにも、本書のポイントを参考に年末年始の帰省シーズンにみんなで家について考えてみてはいかがでしょうか?
文=川辺美希
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