秋の定番食材きのこには、免疫細胞を活性化して免疫力を高め、がんの抑制をサポートしてくれる食物繊維が含まれています。ほかにも、血中コレステロール値や血糖値、血圧の調整に働きかける食物繊維も豊富なので、生活習慣病の予防にもってこいです。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子(むらかみ・さちこ)さんに「きのこの栄養と健康効果」について教えてもらいました。
きのこ類には、β-グルカンという不溶性食物繊維が多く含まれています。
β-グルカンはNK細胞やマクロファージなど、免疫を司る免疫細胞を活性化して免疫力を高め、がんの抑制をサポートしてくれます。
さらにはβ-グルカン以外の食物繊維も豊富で、血中コレステロール値や血糖値、血圧の調整に働きかけます。
生活習慣病の予防には欠かせない食材です。
カリウム
ナトリウムの排出を促すことで血圧を下げる働きのあるカリウムは、高血圧やむくみ改善に役立ちます。筋トレや運動で大量に汗をかいたときにもカリウムは失われるので、積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミン
糖質の代謝や疲労回復に働くビタミンB1や健康な肌、髪を作るビタミンB2などのビタミンB群やビタミンD2が多く含まれています。葉酸も豊富で、赤血球の形成に関わっている成分です。
食物繊維
きのこにはなんといっても食物繊維が豊富です。食物繊維は第6の栄養素といわれ、注目されています。便通改善や動脈硬化、糖尿病、大腸がんなどの生活習慣病の予防に役立ちます。しいたけには特に多く含まれています。
日に当てる
きのこに含まれるビタミンD2は水溶性なので、汁ごといただくと効率的です。また、調理の前に1時間ほど日光に当てるとビタミンD2の含有量が増加します。冷凍保存すると風味が損なわれません。
洗わない
きのこは洗うと風味が落ちてしまうので、そのまま使います。汚れが気になるときはキッチンペーパーで拭くようにします。水溶性の栄養成分が多いので、煮汁なども一緒に食べられるような調理がおすすめです。
オルニチン
肝臓に働きかける成分・オルニチンもきのこには豊富です。特にしめじやブナピー、しいたけに多く含まれています。お酒のお供にきのこはベストな組み合わせです。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)