生きる空間まで違う?オトナと若者の「世代間ギャップ2.0」とは

職場でバリバリ頑張っていた若手社員に、突然「来月で辞めます」と言われた――。そんな話を耳にしたことはないでしょうか? 若者の働き方研究の第一人者・平賀充記さんによると、今の若者は「すぐ辞める」のではなく「突然辞める」。そこにはオトナと若者の価値観の違い、世代間ギャップがあるといいます。そこで、平賀さんの著書から「若者の価値感がわかる20のキーワード」や「オトナと若者の意識のギャップ例」を5回にわたってご紹介します。

※この記事は「なぜ最近の若者は突然辞めるのか」(平賀充記/アスコム)からの抜粋です。

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若者は「SNS社会」の住人

突然の退職、休職、バイトテロ......。令和の職場は、なかなか大変なことになっています。いつ何が起こるかわからない職場で、その当事者である若者をどう取り扱っていいのか、オトナは困り果てています。

しかし「今どきの若いやつは」というオトナの嘆きは、今に始まったことではありません。若者に対する批判めいた論調は、いつの時代も存在しました。

しかし、今起きているオトナと若者のギャップは、これまでとは決定的に違います。

それは何か。

これまでのオトナと若者のギャップは、結局のところ生きる時代の違いでした。時代が進む。技術革新も進む。それが世代間ギャップを生む。しかし今の時代、両者は生きる時代だけでなく、生きる空間まで異なるということです。これが「世代間ギャップ2.0」です。

現代の若者は、「SNS社会」とでもいうべき、常時接続のオンライン空間に生活の大きな比重を置いて生きています。もっというと生活基盤のデフォルトは、もはやオンラインにあります。私たちオトナもスマホやSNSは日常的に使いますが、基本的には「オフラインの住人」です。SNSをツールとして使ってはいるけれども、考え方や価値観はリアル社会を前提にしています。

ニコニコ動画の創設者である川上量生氏は、著書の中で、ネット利用者には2種類の人種がいると述べています。その区分けは、ネットをツールとして利用する人か、ネットに住んでいる人か。大雑把にいえば前者がオトナで後者が若者です。

そもそもオンラインの住人の中では、リアル社会で仲間を見つけにくいオタク趣味の人たちが先住民でした。彼らはリアル社会が息苦しく、逆にオンラインの中のほうが人気者になれる、活躍できる、ホンネが言えると感じたのです。だから仲間や帰属意識を得やすいバーチャルな新大陸に移住していったのでしょう。これが時代とともに一般化したのです。特にSNSでは、検索すればあっという間に仲間ができ、つながれます。

世界での累計発行部数が4億5000万部を超えた『ONE PIECE』は、「現代版聖書」といわれるくらい若者への影響力を持つコンテンツ。物語を貫くキーワードは「仲間」です。今どきの若者は、閉じられたリアルな社会ではなく、開放されたSNS社会の中で仲間を見つけ、そこを住み家としているのです。

 

いかがですか? これからの配信では、こうした「生きる空間」まで異なる若者の心の中を読み解くキーワードをピックアップしてご紹介していきます。

 

次の記事「過剰忖度!?若者を理解するキーワード「マイルディング」って/なぜ最近の若者は突然やめるのか(2)」はこちら。

 

 
H1_なぜ最近の若者は突然辞めるのか.jpg 最近の若者の価値観を5つの特性と20のキーワードでわかりやすく解説。若者との付き合いが楽になるコミュニケーション術も紹介されています

 

 

平賀充記(ひらが・あつのり)

1963 年長崎県生まれ。ツナグ働き方研究所所長。株式会社ツナググループ・ホールディングスエグゼクティブ・フェロー。正規、非正規や性別、国籍などの枠組みにとらわれない働き方の実現に向けて、リアルな職場の現状を調査、レポートし続けている。30 年以上にわたり「職場の若者」を見続けてきた経験で、若者の採用とマネジメントに関するコンサルティング、セミナーが好評を博す。「東洋経済オンライン」「読売新聞オンライン」などウェブメディアへの寄稿も多数。

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『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』

(平賀充記/アスコム)

「頑張ってるな、と思ったら突然辞める」「デキるヤツほどあっさり辞める」「仕事で若手に気を使わなきゃいけなくて疲れる」――。そんな悩みに「若者の働き方」を30年以上にわたって研究してきた第一人者が応える、渾身の一冊。最近の若者の価値観を5つの特性と20のキーワードでわかりやすく解説。さらにそんな若者たちとの付き合いが楽になるコミュニケーション術が具体的に書かれています。仕事で若い部下との関係に悩んでいる人、もっと良い関係を築いていきたい人、必読の一冊です。

この記事は書籍『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』からの抜粋です
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