日々健康で明るく過ごすための源となるのは、「食べ飽きないふだんのごはん」。ですが、飾らない家庭料理ほどごまかしがきかず、意外と難しいですよね。新鮮な素材選び、調理のひと手間、火加減......。特別な素材や技術がなくても、ほんの少しの工夫で、ぐっとおいしく仕上がるものです。
本書『ふたりのごはん』では、ホテルオークラ元総料理長の根岸規雄さんと料理研究家の石原洋子さんご夫妻が、日々の食卓を紹介。旬の素材を基本的な調味料でおいしくいただくアイデアの数々を学び、シンプルかつ豊かな食生活を楽しみましょう。今回は12回目です。
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秋冬の献立は体が温まるものを-煮ものかあえものを入れる
献立は朝と昼の食事の内容を考えて、ダブらないもの、栄養が偏らないものをその日に考えます。春夏の副菜は酢のものが多いですが、秋冬は煮もの、あえものなどを必ず添えて、野菜を多くとるようにしています。魚料理でよく登場するのは照り焼きやしょうゆ麹焼き。みそ汁は毎日いただきますが、具は大根、かぶ、わかめ、きのこ、豆腐などオーソドックス。寒い日は根菜たっぷりの具だくさんのみそ汁もいいですね。(洋子)
〈メニュー〉
・ぶりの照り焼き
・吹き寄せきんぴら
・春菊と柿のしらあえ
・大根とえのきのみそ汁
・ご飯
こんがり焼いた生麩がポイント
【吹き寄せきんぴら】
副菜にきんぴらをよく作りますが、中でも人気の1品が、ぎんなんやゆり根、ごぼうなどを入れた七目きんぴら。れんこんをはじめ季節感のある食材を入れます。特にリクエストのある生麩は、いつも多めに。こんがり焼いて加えると、しゃきっとした野菜に混じって、もっちりした食感が楽しめます。お店で生麩入りのものを食べておいしかったので、それ以来欠かさず入れています。(洋子)
【材料】(2人分)
れんこん...1/2節(100g)
ごぼう...100g
にんじん...1/3本
生しいたけ...1パック
ぎんなん...20個
ゆり根...1個(100g)
生麩...1本
ごま油...大さじ1 1/2
酒...大さじ1
砂糖...大さじ1
みりん...大さじ1/2
しょうゆ...大さじ2
【作り方】
1. れんこんは皮をむいて3〜4mm厚さのいちょう切りにし、水にさっと通して水気をきる。ごぼうは皮をよく洗い、縦半分に切って2cm長さに切り、水に浸けて水気をきる。にんじんはいちょう切りに、しいたけは6〜7mm厚さに切る。ぎんなんは殻を割り、熱湯でゆでて薄皮をむき、冷水にとってさまし、水気をきる。ゆり根は1枚ずつはがし、汚れた部分はそぎ取る。
2. 生麩は5mm厚さに切ってフライパンに1つずつ離して置き、弱めの中火で両面に薄く焼き色がつくまで焼いて取り出す。3. フライパンにごま油を熱し、ごぼうを2〜3分炒めて、れんこん、にんじんを加え、ひと炒めして、ぎんなん、ゆり根を加えて4〜5分、中火でよく炒める。しんなりしてきたらしいたけを加え、さらに少し焦げ目がつくくらいまで炒める。
4. 2の生麩を加え、酒、砂糖、みりん、しょうゆの順に加える。5. 強火にして水分を飛ばすように炒め合わせる。
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撮影/南雲保夫