さまざまな生物のすぐれた能力。私たちの暮らす地球の驚くべき事実。メディアをにぎわせる「最新科学」のニュース。驚くべき速さで進歩するITの話題。世の中には、学校では教わらなかった現代科学の話題があふれています。
職場で、学校で、家庭で。明日の雑談のネタにピッタリな、知っておくと自慢できる「科学の雑学」をお届け!
※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「隕石の7割以上は南極大陸で採取されている! なぜ南極大陸は隕石の宝庫なのか?/身近な科学(44)」はこちら。
地球の周囲をぐるりと回る衛星。
月は地球に落ち続けている!?
日本はウサギ、ヨーロッパはカニ、ベトナムはワニなど、月には動物が住んでいると信じられた時代がありました。月の模様がそれらの動物の姿に似ているためです。
月が地球を回る衛星であることは周知の事実です。しかし、もしそうなら、月がどうして落ちてこないのか心配になりませんか。
実をいうと、月は地球に落ち続けているのです。しかし、地球が丸いためそれを受け止められず、永遠に落ち続けることになります。
月をボールに見立て、地表に対して水平に投げたとしましょう。軽く投げればボールは目の前に落ちますが、怪力の持ち主が投げれば、球形の地面は受け取れず、地球をクルクル周回するしかなくなります。
では、月はどのように誕生したのでしょうか。諸説ありますが、現在では「ジャイアント・インパクト説」が有力視されています。45億年前、誕生して間もない原始地球に火星サイズの小天体が衝突してできたという説です。衝突で破壊された小天体の残骸と、衝突でえぐり取られた地球表面が再度集まって月がつくられたというのです。
こう考えてコンピューターでシミュレーションすると、最初に述べたウサギやカニの模様についても説明できます。
次の記事「スマホとペットボトルで説明しよう。地球の空が明るい理由/身近な科学(46)」はこちら。