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夜空に浮かぶ月の模様は、世界各地でさまざまなものにたとえられている。日本では「ウサギの餅つき」の姿といわれているが、インドでは「ワニ」、中東では「ライオン」、ヨーロッパでは「カニ」、アメリカでは「女性の横顔」など、国や地域によってたとえられ方は違う。
このように、地球から見る月の模様は、じつに多彩な見え方をするが、いつも同じ面しか見ることができない。そのため、月が自転していないかのように思えてしまうが、それは大きな間違いである。それどころか、もし月が自転していないとすると、逆に地球からは月の「表側」だけでなく、その「裏側」もきちんと見られるはずなのだ。
地球から月の裏側が見られないのは、月が自転と同時に公転しているからである。地球の衛星である月は、地球のまわりを1公転するあいだに1自転している。そして、自転も公転と同じ27・32日周期であることから、月は1回転するあいだに、地球に対して常に同じ面を向けて自転していることになるというわけだ。
月はその誕生以来、地球に対して同じ面を向けていたことが、月の裏側に無数に刻まれたクレーターからも証明されている。なぜ、クレーターの多さがその証拠になるのかというと、クレーターの数は、そこに衝突した隕石(いんせき)の数と比例しているからである。
つまり、地球から見える表側には、地球に守られているために隕石があまり衝突していないのに対し、守られていない裏側には、ボコボコとした無数のクレーターが残されているのだ。
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『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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