全体のためには自死をもいとわず。秩序だって死んでいく細胞たち/身近な科学

さまざまな生物のすぐれた能力。私たちの暮らす地球の驚くべき事実。メディアをにぎわせる「最新科学」のニュース。驚くべき速さで進歩するITの話題。世の中には、学校では教わらなかった現代科学の話題があふれています。

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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pixta_24033045_S.jpgDNAに制御される細胞死「アポトーシス」
細胞は〝自殺〟する

動植物は「種や卵子が細胞分裂を繰り返して大人の形に成長する」ということがよく知られています。しかし、単純に細胞分裂を繰り返したのでは形をつくれません。生物はどうやって本来の形になるのでしょうか。

たとえば胎児の指の形ができるとき、まず杓文字(しゃもじ)のような形ができます。そしてほどなく、指の間の細胞が消え、指の形ができます。指と指の間の細胞が〝自殺〟するのです。

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オタマジャクシはカエルになるとき、尻尾が消えます。秋になると、ひとりでに木の葉が落ちます。こうした現象にも細胞の自殺が関与しています。以上の例からもわかるように、多細胞の生物には、細胞が自殺することで全体がよい状態を保てるシステムが備わっているのです。このような細胞死をアポトーシスといいます。

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アポトーシスは細胞の核の中のDNAが縮まることから始まります。そのDNAは断片化され、さらに細胞膜(まく)が変形して、最後にマクロファージと呼ばれる清掃係に食べられます。こうして、プログラムされたように秩序立って細胞は死んでいくのです。

アポトーシスはDNAに制御されていることはわかっていますが、どのようにプログラミングされているのかの詳細は不明です。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

動植物、天体から物理、統計学まで。知っておくべき科学の基本や、現代科学を読み解くのに必要な知識について、身近な例を挙げながらやさしく解説! わかりやすい図解(イラスト・写真)つきなので、学生から年配層まで、科学全般の知識が浅い読者でもとっつきやすく、「科学の教養」が身につけられる100項目を提供する内容です。

 

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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