「GABA」で睡眠の質を高める
「『GABA』は、心身をリラックスさせる副交感神経を高める脳の神経伝達物質です。GABAが増えるとオレキシンの活性が抑制され、質のよい睡眠へと導く作用が期待できます」。GABAは野菜(トマト、ケール、パプリカなど)、果物(メロン、ぶどう、バナナなど)、乳酸菌発酵食品(漬物、ヨーグルトなど)、米、雑穀、カカオなどから摂取できます。積極的に取り入れましょう。
「テアニン」を含む緑茶を飲む
緑茶のうま味成分に含まれるアミノ酸の一種「テアニン」にも、実は睡眠の質を高める作用が。「血液中を通って脳に運ばれると、GABAや『グリシン』(下記「深部体温」の欄参照)の増加を促し、覚醒系の神経伝達物質の働きを抑え、副交感神経を優位にします。緑茶にはカフェインも含まれますが、テアニンはその興奮抑制作用もあるため、睡眠の質の向上に有効だと考えられています」
深部体温を下げる食べ物を摂る
人は眠りにつくとき、深部体温を下げると深い眠りに入り、脳と体をしっかり休息させられる仕組みが備わっています。「ぐっすり眠るためには、体の深部体温をスムーズに低下させることが大切です」。深部体温を下げるのが、アミノ酸の一種「グリシン」を含む食品。イカやエビ、カニなどに含まれています。また、きゅうりやトマト、ゴーヤなどの夏野菜にも
体を冷やす作用があります。
不眠は肥満を招きます
睡眠不足の人は体重が増加するという研究データがあります。不眠になると〝空腹ホルモン〞のグレリンが増え、〝満腹ホルモン〞のレプチンが抑制されます。つまり食欲が増し、肥満の引き金に。また、グレリンの増加とレプチンの減少はどちらもオレキシンを活性化させるため、覚醒度が増し、さらなる不眠の悪循環を引き起こします。
構成・取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/藤田ヒロコ