りんごに多く含まれるプロシアニジンは、動脈硬化や肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病予防、抗加齢&老化予防など、多くの健康作用をもつことが分かっています。
さらに近年、注目されているのが、腸内環境への作用だと庄司俊彦先生。
「プロシアニジンの摂取によって、内臓脂肪面積が減少したり、血糖値の上昇が抑制されることは長年の研究で分かっていました。では、なぜこのようなことが起こるのか、肥満させたマウスによる試験を行ったところ、プロシアニジンを摂取しているマウスは、体重の増加が抑制されていました。また、血糖値の上昇を抑えたり、脂質代謝(※1)を促す効果が期待されるアッカーマンシア菌の量が増えるなど、腸内細菌にも変化が見られました」
また、りんご由来プロシアニジンを摂取したマウスの腸内では、腸管のバリア機能の向上も見られ、体内の慢性炎症(※2)の抑制や脂質代謝異常の改善に役立つことも期待されています。
現在、日本人における試験でも、プロシアニジンによる体への健康作用と腸内細菌への影響を明らかにする研究が進んでいます。
「りんごの食べ方はお好みでOK」と、庄司先生。
プロシアニジンは体内に貯めておくことができないので、毎日食べることが健康への秘訣です。
※1 体の中での脂質の変化・サイクルのこと。
※2 本来一過性で治まるはずの体内での炎症反応が、低レベルではあるものの、長期間持続して慢性化した状態。
構成・取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/坂木浩子