酢酸菌(さくさんきん)の健康価値や日常生活での取り入れ方を発信する団体「酢酸菌ライフ」は、2023年11月、にごり酢に含まれる酢酸菌の最新研究結果などを紹介する講演を開催。その高い健康効果に、注目が集まっています。
※この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年2月号に掲載の情報です。
酢酸菌とは?
酢酸菌は、お酢をつくる過程でアルコールをお酢に発酵させる菌です。ただし、一般的なお酢は、製造過程で濾過(ろか)されるため、酢酸菌はほとんど含まれていません。近年、粗濾過をすることで、あえて酢酸菌を残した伝統的なお酢であるにごり酢づくりに挑戦する蔵元が増えています。
※爽やかな酸味が特徴の発酵ドリンク。お茶に糖類を加え、酢酸菌と酵母でできたスコビー(菌株)を入れることで発酵させてつくります。
「にごり酢」にはこんな食べ方も
ヨーグルト、野菜炒め、納豆にかける
酢酸菌の5つの健康作用
酢酸菌は、免疫細胞に備わる免疫を活性化させるスイッチのTLR2とTLR4の両方を押すことができます(上図)。酢酸菌が2つのスイッチを押すことで、免疫バランスを整え、免疫の誤作動や過剰反応を抑制します。酢酸菌には、下記の5つの健康作用が期待できます。
(1)全身の免疫活性化
体がもつ本来の力を正しく発揮するために不可欠な免疫の司令塔を活性化します。
(2)乳酸菌との相乗効果
単体での摂取に比べて、倍以上のマクロファージ(免疫細胞の一つ)の活性を確認しました。
(3)インフルエンザ増殖力の抑制
酢酸菌がインフルエンザウイルスの感染増殖力を半減程度に抑制しました。
(4)かぜの症状を抑える
鼻水、鼻づまり、せきなどによる倦怠感や疲労感を抑える作用があることが分かりました。
(5)花粉症の症状緩和
花粉症による鼻づまりの不快感が、酢酸菌を摂取して4週間で改善しました。