ホルモン補充療法は、症状や生活スタイルに合わせて選択を(1)/更年期障害(11)

pixta_4667133_S.jpg40代半ばを過ぎて妙にイライラすると感じたら、更年期が始まっているかもしれません。更年期は、思春期と並ぶホルモンの大変動期で、疲労や肩こり、のぼせなど、これまで感じなかったさまざまな不調が起こりやすくなります。ひどくなると、更年期障害と呼ばれ、日常生活に支障をきたすこともあります。

この大変動期をできるだけ心地よく過ごすにはどうしたらよいのか、飯田橋レディースクリニック院長の岡野浩哉先生にお伺いしました。今回はその11回目です。

前の記事「ホルモン補充療法を始める前に/更年期障害(10)」はこちら。

 
HRTの薬は、個々の事情に合わせて選択できます

更年期のつらい症状を改善するためには、自分に合った薬や治療方法を選ぶことが早道です。ここでは、更年期症状や更年期障害の治療のために、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を補充するホルモン補充療法(以下、HRT)で使われる薬について、詳しくお話ししましょう。

HRTでは、エストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤という2種類の薬を使います。エストロゲン製剤は、分泌が減少したエストロゲンを補うためのもの。黄体ホルモン製剤は子宮を有する場合に投与する薬で、子宮内膜の増殖を防ぎ、子宮体がんのリスクを予防します。

エストロゲン製剤には、飲み薬、貼り薬、塗り薬の3タイプがあります。皮膚がかぶれやすい人の場合は飲み薬にするなど、個々の希望や事情を考慮して選ぶことができます。一方、黄体ホルモン製剤は基本的に飲み薬のみになります。保険適用されており、薬代の目安はひと月あたり2000円程度(3割負担の場合)になります。

 

●ホルモン補充療法で使用する薬

【エストロゲン製剤】
・経口剤
一般的な錠剤の飲み薬。服用後、胃腸を通して体内に吸収されます。飲み薬なので、貼付剤などで見られる皮膚のかぶれなどの心配はありません。

・貼付剤
下腹部などに貼る薬。胃腸を通らず、皮膚から直接血液の中に吸収されるため、胃腸と肝臓の弱い方に適しています。

・ジェル剤
肌に塗る薬。貼り薬同様、皮膚から直接血液の中に吸収されるので、胃腸と肝臓の弱い方に適しています。また、かぶれにくく、肌の弱い方にも適しています。

【黄体ホルモン製剤】
子宮がある人の場合、エストロゲン製剤に加えて、子宮体がんを予防するために黄体ホルモン製剤を使用します。

【エストロゲン製剤+黄体ホルモン製剤の配合】
一つの薬の中に、エストロゲンと黄体ホルモンが含まれている薬。子宮がある人に使います。飲み薬と貼り薬があります。

 

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取材・文/笑(寶田真由美)

<教えてくれた人>
岡野 浩哉(おかの・ひろや)先生

飯田橋レディースクリニック院長。群馬大学医学部卒業後、同医学部附属病院産婦人科、 東京女子医科大学産婦人科などで臨床経験を経て、平成20年に飯田橋レディースクリニック設立。 「患者にやさしい医療」をモットーに、新聞・雑誌等メディアへ執筆多数。

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