リモートワークが続き、ねこ背の人が増加中です。これは自律神経の不具合、血流障害、内臓の圧迫...体内からさまざまな不調を起こします。そういう不調に悩む人を数多く改善に導く整体師・片平悦子さんの著書「きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし」(アスコム)から、ねこ背のメカニズム、改善メソッドをご紹介します。
【前回】ねこ背は現代病? 頭痛、肩こり、腰痛に悩んだら姿勢を確認/きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし
あなたも、ねこ背ではないですか?
ねこ背は見た目にも健康にもダメージを与えます。
まずは理想的な「正しい姿勢」をご覧にいれましょう。
あなたの座り方、ねこ背ではないですか?
立っているときだけでなく、座っているときの姿勢も重要。
悪い姿勢は腰や内臓を痛めつけ、集中力を奪います。
椅子に浅く腰かける場合も体の中心線はまっすぐに。
こうすると頭の重さが分散され腰に負担がかからない。
ねこ背が治る「ねこ背伸ばしの座り方」
さあ、いよいよ「ねこ背伸ばしの座り方」をご紹介しましょう。
とはいえ、それはとても簡単。
「机に肋骨を乗せるようにして、もたれて座る」
たったこれだけなのです。
それなのに、ねこ背がスッキリと伸び、正しい姿勢に。
さあ、今すぐ試してみましょう!
とても簡単!「ねこ背伸ばしの座り方」
「ねこ背伸ばしの座り方」にはコツが3つあります。
肋骨・骨盤・足底に注意して、背中をスッキリ伸ばしましょう。
※この座り方を30 秒意識しましょう!
「ねこ背伸ばしの座り方」のポイント
正しい姿勢を手に入れるには、「骨盤を立てる」ことが欠かせません。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、下の骨盤の図で黒く示した位置、つまり坐ざ骨こつの先端で座れば、簡単に「骨盤を立てる」ことができます。
下にご紹介する方法で「坐骨の先端」を見つけたら、肋骨を机のふちに当てて座るだけで「ねこ背伸ばしの座り方」が完成です。
慣れるまではいつもの姿勢に戻ってしまいがちなので、30 秒キープできるよう意識しましょう。
【ポイント1】
お尻の肉を持ち上げるように下から押し上げたとき触れる硬い骨が坐骨。この部分で座る
【ポイント2】
椅子に浅く腰かけ、両手を座面について「お尻歩き」をするように左右にお尻を振る。このとき感じるゴツゴツとした坐骨の先端を椅子の端を引っかけるようにして座る
【ポイント3】
お尻は2の位置のままキープして、肋骨を机のふちに引っかけるようにしてもたれかかると理想的な「ねこ背伸ばしの座り方」の形になる
* 肋骨を机に乗せて仕事をするときは、肋骨と左右の腕(または肘)で上体を支える形になります。肋骨だけに上体の体重を乗せると肋骨が痛いと感じることがありますので、なるべく肋骨・左右の腕の3 箇所で上体を支えましょう。それでも肋骨が痛いときは、バスタオルや薄いクッションを机の端に乗せましょう。
* あなたの机の高さが肋骨が乗らない高さの場合は、少し椅子を高くして調整しましょう。そして、椅子を高くした分、足の裏に台を置くととても楽に過ごせます。
床に座るとき
畳や床の上に座るときは、座椅子を使うのが一般的です。
しかし座椅子に座ると骨盤が倒れてしまうため、ねこ背をいっそうひどくしてしまいます。
背筋をスッキリと伸ばし、ねこ背を治すには正座が最適なのです。
ねこ背が治り、骨盤や背骨が理想的な形に整えば、床に座るときは正座が一番自然でラクな姿勢になります。
このときのポイントはただひとつ、「バスタオル」を使うだけ。
下図でご説明しましょう。
床に座るときはコレ!
畳や床に座るときは、お尻の下に畳んだバスタオルを敷いて正座しましょう。
こうすることで坐骨の先端で体を支え、骨盤を立てたまま座ることができます。
すると自然に背筋が伸びて、首もスッキリと伸びます。
見た目にも美しく、体もラクな姿勢です。
※最低30秒キープを意識しましょう。
こんな座り方はNG!
リラックスしているときに、ついこんな座り方をしていませんか?
そのほうがラクだと感じているのかもしれませんが、それは大きな間違い。
これらの座り方は骨盤を倒したりゆがませたりするため、背骨にも腰にも、そして内臓によくない、体を痛めつける座り方なのです。
今すぐにやめましょう。
足組み座り
椅子に深く腰かけて足を組んで座ると、骨盤をゆがませ、内臓を圧迫する
足投げ座り
椅子に浅く腰かけて、足を投げ出す座り方は骨盤を倒し背骨がゆがむ原因に
おばあちゃん座り
足の間にお尻を落とす「おばあちゃん座り」。背中が丸くなって顎が突き出た、高齢者姿勢になってしまう
体育座り
腰を下ろし、両腕で膝を抱える「体育座り」は背中を丸くさせる。骨盤も倒れて、ねこ背がますますひどくなる
横座り
正座を崩し、足を横に流す座り方は骨盤が左右どちらかに大きく傾いてしまう。背骨がゆがみ、内臓が圧迫される
リラックスしたいときの「ねこ背伸ばしの座り方」
「ねこ背伸ばしの座り方」では背もたれを使いません。
しかし、リラックスしたいとき、車や長距離列車、飛行機などのリクライニングチェアは別。
ゆったりと背もたれに背中を預けてよいのですが、骨盤を正しく立てたまま座るのが最大のコツ。
こうして座れば、たとえば、長時間乗り物で揺られても、腰に負担がきません。
背骨もゆがみませんし、何より体がラクチンです。
ぜひ覚えてくださいね。
(1)椅子に浅く腰かけ、「ねこ背伸ばしの座り方」で正しく座る
(2)両手を座面について腰をまっすぐあげる
(3)正しく立った骨盤の角度を保ったまま腰を背もたれまで移動させる
(4)骨盤を動かさず、背もたれと背中の間にすき間ができないようにしてもたれる
椅子に浅く腰かけた状態でもたれかかると骨盤が倒れてしまい、腰や背中を痛めてしまう
全8章にわたって『ねこ背』になる理由、そのメカニズム、そして、改善方法などをわかりやすく解説