更年期を迎え低下する「エストロゲン」。デリケートゾーンにも変化が.../女医が教える性のトリセツ

加齢に伴うデリケートゾーンの悩みを相談できず、ひとりで抱えていませんか? 人生100年時代となった今、50歳で閉経をすると、その先50年は女性ホルモンの分泌量が激減した身体で生きていかなければなりません。だからこそケアをして快適に過ごしたいものです。そこで、"痛みの専門医"富永ペインクリニック院長・富永喜代先生の『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)からお役立ち情報を抜粋してお届けします。

【前回】加齢によるニオイ問題。きっかけは息子の「ママのアソコ、くさいよ」/女医が教える性のトリセツ

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※画像はイメージです

エストロゲン低下はデリケートゾーンにも影響が

女性が更年期を迎え、エストロゲン分泌が低下すると、一般に知られている更年期障害だけでなく、デリケートゾーン(陰部)全般にも大きな影響が及び、劇的な変化が起こります。

そもそも血流によって酸素やたんぱく質などの栄養が運ばれるのですが、更年期以降はエストロゲンの低下により血流が悪くなるので、これまでのように栄養が腟内に届きません。

そのため腟粘膜が薄くなり、分泌腺能力が低下します。

さらに保水力も失われ、性交の際に濡れづらくなります。

本書では詳しく述べていますが、これも性交痛の一因になります。

デリケートゾーンの血流が悪くなることで、外陰部や腟まわりが萎縮して水分量が減ってやせる「腟萎縮」が見られます。

腟壁が弾力のないペラペラの状態になって、摩擦に弱くなります。

さらにハリや潤いが失われるので、デリケートゾーンのルックス(外見)も変化します。

自転車に乗るとデリケートゾーンにサドルが当たって痛い......という人もいますが、これもエストロゲン低下の影響の可能性もありますね。

また、おりものや粘液が減って腟の自浄作用が弱まるため、細菌感染や炎症に弱く、かゆみやかぶれが慢性化しやすい環境にもなります。

後述しますが、腟内の善玉菌が減ることで、腟内環境が変化し、いやなニオイの原因にもなります。

デリケートゾーンの悩み

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富永喜代(とみなが きよ)
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会指導医。1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人超の臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。全国から患者が集まり、のべ23万5000人の痛みを治療し、性交痛外来では5000人のセックスの悩みをオンライン診断する。

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(富永喜代/KADOKAWA)

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※この記事は『女医が教える性のトリセツ』(富永喜代/KADOKAWA)からの抜粋です。
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