加齢によるニオイ問題。きっかけは息子の「ママのアソコ、くさいよ」/女医が教える性のトリセツ

加齢に伴うデリケートゾーンの悩みを相談できず、ひとりで抱えていませんか? 人生100年時代となった今、50歳で閉経をすると、その先50年は女性ホルモンの分泌量が激減した身体で生きていかなければなりません。だからこそケアをして快適に過ごしたいものです。そこで、"痛みの専門医"富永ペインクリニック院長・富永喜代先生の『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)からお役立ち情報を抜粋してお届けします。

加齢によるニオイ問題。きっかけは息子の「ママのアソコ、くさいよ」/女医が教える性のトリセツ pixta_47433241_S.jpg※画像はイメージです

息子に言われた「ママのアソコ、くさいよ」のひと言

ここで、私のエピソードをご紹介します。

今から遡ること8年前、リビングで当時小学生だった息子を抱っこしていたとき、こんな言葉を投げかけられました。

「ママのアソコ、くさいよ」 あまりのショックで、驚きました。

そしてすぐに私は、「そんなはず、ないでしょう!」と返していました。

恥ずかしさもありました。

しかし今思えば、このひと言は、息子にとっては、子ども心に勇気を振りしぼって伝えたものだったはずです。

いくら家族とはいえ、いくら子どもとはいえ、デリケートゾーンのニオイを指摘する行為は、勇気がいることです。

それなのにそのときの私は、そんな息子の思いやりや優しさを無下にして、頭から否定したのです。

普段の私なら、彼が言いにくいことを正直に打ち明けてくれたことを褒めて「ありがとう」と言って対応していたことでしょう。

やがて、自分自身の対応にも、後悔の念が湧いてきました。

しかし実は自分でも、薄々は気づいていました。

お風呂に入るときに、脱いだズボンの股の部分から、以前とは違うニオイがしていたこと。

昔は穿けていたショーツが擦れて、ヒリヒリと乾燥して痛みがあること。

そんなデリケートゾーンの変化、ニオイの問題は、女性として恥ずかしく、真正面から受け止めきれぬまま、日々過ごしていたのです。

けれど息子の目(この場合は鼻ですね)は、ごまかせなかった。

この日、一番身近な存在からニオイを指摘されたことで、私は加齢に伴うニオイ、さらにデリケートゾーンの変化について、ひとりの女性として、医師としてこれまで以上に真剣に向き合うことになったのです。

加齢によるニオイ問題。きっかけは息子の「ママのアソコ、くさいよ」/女医が教える性のトリセツ 表紙.jpg

 

富永喜代(とみなが きよ)
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会指導医。1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人超の臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。全国から患者が集まり、のべ23万5000人の痛みを治療し、性交痛外来では5000人のセックスの悩みをオンライン診断する。

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(富永喜代/KADOKAWA)

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※この記事は『女医が教える性のトリセツ』(富永喜代/KADOKAWA)からの抜粋です。
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