「口の健康」新習慣! 口腔ケアは昼は「うがいのみ」夜は「しっかり」朝は「ササッと歯磨き」

認知症や脳梗塞、動脈硬化などさまざまな病気の引き金になる歯周病や、筋力の低下などのリスクを高めるオーラルフレイル。口の健康を保つことは、老化の予防につながります。そこで今回は、幸町歯科 口腔外科医院 院長の宮本日出(みやもと・ひずる)先生に「口の健康を保つための新習慣」について伺いました。

【前回】口の老化は「認知症」や「脳梗塞」のはじまり! 「歯周病」と「オーラルフレイル」セルフチェック

口腔ケアを見直して
正しいお手入れを習慣化

「どの歯ブラシがよいですか?」

「歯磨き粉は何を使うとよいですか?」

「正しい歯の磨き方は?」

これらは、宮本先生が患者さんからよく聞かれる疑問だそうです。

「実はこれらの質問は、歯周病を間違って理解している方からよく聞かれるもの。口のケアは何か一つに決めるのではなく、それぞれの使い方や選び方を知り、トータルで正しく使うことが大切です」


1日のスケジュール

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朝はササッと歯磨き

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起床後の口の中は雑菌だらけ。まずは、朝食前にぶくぶくうがいで口の中を清潔にしましょう。大人の場合、歯の根っこが虫歯になりやすいものです。朝食後は、できれば虫歯予防用の歯磨き粉を使って歯磨きを。仕上げに洗口液を使うとより効果的です。

昼は食後のうがい

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自宅では昼食後も歯磨きをするという人も、外出先でのランチ後は、歯磨きがしにくいものでしょう。そんなときは、ぶくぶくうがいで口の中を清潔にしておきましょう。口の中に食べ物が残っていない状態にしておくことで、虫歯や歯周病の予防になります。

夜はていねいにフルコース

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歯周病は、寝ているうちに進行します。ですから、就寝前は歯周病予防用の歯磨き粉を使っての歯ブラシが必須。その後、デンタルフロスで歯と歯の間を清掃します。強く挟むと歯ぐきを傷めるので優しく行いましょう。歯間ブラシと洗口液もお忘れなく。

《歯磨き粉の選び方》

【朝】虫歯予防に効果のある歯磨き粉を使いましょう。

【夜】歯周病予防用のIPMP(イソプロピルメチルフェノール)配合のものを。IPMPは、菌膜に入り込んで、殺菌作用を施します。


上記の「1日のスケジュール」は、歯周病や虫歯予防に効果的な口のケア方法です。

「うがいをする」「夜は念入りに歯磨き」「歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスは使い方のポイントを知る」といったことで、いまよりも質の高い口腔ケアができます。

「1日の中で行う口腔ケアを決めておくことで、正しいお手入れが習慣化できます。特に、歯周病は夜に進行しますから、寝る前の歯磨きは時間をかけて、ていねいに行うようにしてください」(宮本先生)

オーラルフレイル対策にはどんなことが必要でしょう?

「まずは正しい姿勢で食事をとること。よく噛んで、飲み込むまでの時間を長くします。そうすることで、誤嚥を防げます。加えて、唾液腺マッサージや舌の体操などを行うのもいいでしょう。口の機能の維持は、サルコペニア(筋力低下)やフレイル(※)、要介護などのリスク予防に直結します」(宮本先生)

これから紹介するセルフケアとプロのケアを合わせた新習慣で、一生元気な口を目指しましょう。

※健康な状態から要介護へと移行する中間の状態。

【次回】歯ブラシは朝晩で使い分け、持ち方と当て方にも工夫を! 「歯ブラシ」の新習慣と「ぶくぶくうがい」

【まとめ読み】特集「『口の健康』新習慣」記事リスト

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) イラスト/かざまりさ

 

<教えてくれた人>
幸町歯科 口腔外科医院 院長
宮本日出(みやもと・ひずる)先生
歯科医師、歯学博士。愛知学院大学歯学部卒業。日本顎関節学会・代議員・指導医・専門医、厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医・指導教官。国内外に160篇以上の論文を発表し多くのメディアで活躍中。

この記事は『毎日が発見』2021年8月号に掲載の情報です。

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