その「食べこぼし」、危険かも...。要介護につながる可能性がある「オーラルフレイル」とは

コロナ禍での外出自粛などで、いま全国のシニアがフレイル(要介護の前の虚弱状態)の危機にあります。そこで、東京大学高齢社会総合研究機構の教授である飯島勝矢さんの著書『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』(KADOKAWA)より、自宅でできる感染予防や、要介護予防についてご紹介します。

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その食べこぼし、危険かも......。口の衰えがフレイルを加速させる!

些細な口のトラブルを見過ごさないようにしよう

「風邪をひいて熱がある」

「腰が痛くて我慢できない」。

そんなときは、すぐに医者に行こうと思うでしょう。

しかし、「口」のことになるとどうですか?

途端に腰が重くなり、歯が痛くなっても、食べ物が噛みにくくても、ガマンできなくなるまで放っておくことはないでしょうか?

私たちの「口」は、生きるために必要なさまざまな機能を担っています。

しかし、足腰と同様に、年をとれば口も老化します。

加齢による口の衰えを放置すれば、食べる機能はもちろん、心身の機能も低下し、要介護につながる可能性が出てきます。

そうならないよう、警鐘を鳴らすために生まれたのが、「オーラルフレイル」という概念。

兆候としては、次のようなことがあげられます。

●最近、食事の途中でむせることが増えてきた。

●家族から食べこぼしを注意されるようになった。

●よく噛めないから、なんとなくかたいものを避けている。

●口の中の乾燥が気になる。

●以前より滑舌が悪くなったのか、聞き直されることがある。

どれも、いわれてみれば、思い返してみれば、「そうかもしれない......」と思うような些細なことばかりです。

生活するうえで困るほどのことではないので、気にせずに過ごしている人が多いかもしれません。

しかし、口はさまざまな筋肉が協調して動いています。

1つ1つの衰えは些細でも、それらが積み重なると、まるで負の連鎖のように体のあちこちに不調が出ることもあります。

オーラルフレイルの兆候を見過ごしていると、舌や頬、口の周りの筋肉量や筋力が低下し、口腔機能の低下、摂食嚥下障害などにつながります。

さらに、新型栄養失調やサルコペニアも発症しやすくなります。

今日一日のことを思い返してみてください。

「これ、もしかしたらオーラルフレイル?」と思うようなことはありませんでしたか?

「話す」「食べる」だけじゃない!
意外に知られていない口の役割

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イラスト/中村知史

『今日からできるフレイル対策』記事リストはこちら!

71b6ze8LnIL.jpg要介護の手前の「フレイル」状態を防ぐために自宅でもできる健康法について、5章にわたって分かりやすく解説

 

飯島勝矢(いいじま・かつや)
東京大学高齢社会総合研究機構 機構長・未来ビジョン研究センター教授。医師、医学博士。フレイル(虚弱)予防のための大規模コホート研究およびシステムを構築し、なかでも市民フレイルサポーター主導型健康増進プログラム(通称フレイル・チェック)を推進している。

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『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』

(飯島勝矢/KADOKAWA)

新型コロナによる外出自粛、人との接触制御という生活不活発によって全国のシニアが「フレイル」の危機、同時に感染症リスクが高まっています。「要介護の前の虚弱状態」であるフレイルには可逆性があり、早く気づいて生活習慣を見直すことで進行を食い止め、健康な状態に戻ることができます。自宅でもできる感染・要介護予防法を実行して、フレイルを防ぎながらwithコロナ時代を前向きに過ごしましょう。高齢の親と離れて暮らす家族も参考になる一冊です。

※この記事は『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』(飯島勝矢/KADOKAWA)からの抜粋です。
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