年を重ねるほどに増えていく体の「痛み」と「悩み」。寄る年波と思いきや、実は「ろっ骨のゆがみ」が原因となっているかもしれません。近ごろは、外出自粛による座り姿勢の増加や、体に合わない机と椅子での自宅テレワークによって、胸のねじれがよりひどくなる人も増えつつあるとか。そこで、1万5000人以上の体をリハビリで変えてきた理学療法士・田舎中真由美さんの著書『胸ひらきで調子のいい自分がずっと続く』(主婦の友インフォス)から、体の調子を悪くする原因と、つぶれてゆがんだ「ろっ骨」を伸ばしてリセットできる著者考案の「胸ひらき」ポーズの一部を抜粋してお届けします。
【前回:お腹ぽっこりや尿もれに。悩み多き女性の体に「胸ひらきポーズ」がいいワケ】
ポーズ1:胸のばし(3回呼吸×3セット)
ほとんどの方は体に左右差が生じています。
つぶれた側の胸をしっかり広げて、ゆがみをリセットしましょう。
ポイントは呼吸。
胸の横に空気を入れるように、息を吸うとろっ骨がアコーディオンの蛇腹のように広がり、吐くとしぼむイメージで呼吸をくり返します。
次第に固く縮んだろっ骨間が開いて、左右のゆがみが解消されます。
「胸のばし」のやり方
①体のゆがんでいる側を床につけて横になる
ゆがみ診断チェックでわかったゆがんでいる側のお腹を下にして横になります。両脚はそろえてひざを曲げ、両腕は胸の前で伸ばし、両手のひらを合わせます。
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②上側の腕を斜め上にひらいていく
上側の腕を斜め上にゆっくりとひらいていきます。このとき、視線はひらいていく手に向けます。胸がひらくとともに、みぞおちをなるべく天井に向けるよう意識して。
③みぞおちを天井に向けてキープ
腕をできるだけひらいたところで、ポーズをキープ。最初は体がかたく、ひらいた腕が床につかない、みぞおちが完全に天井へ向かない人もいますが、ひらいた側の脇からウエストにかけて、しっかり伸びを感じられればOKです。
④胸の横を意識して呼吸をくり返す
伸ばした腕側の胸の横に、吸った空気を送り込むイメージで呼吸。ろっ骨が息を吸うとふくらみ、吐くとしぼむ感覚を意識して。3回呼吸したら腕を戻し①の姿勢に。①~④を3回くり返します。
《胸のばしココがポイント!》
●背中
腕を広げる側の肩甲骨を真ん中によせるようなイメージで、腕を広げていきます。するとふだん伸び切って動かなくなった背中の筋肉が働きます。
●手
上側の腕を斜め上にひらいていくとき、常に視線は動かす手の方向に向けておきます。すると肩や背中にかかる負担が少なく、脇が心地よくしっかり伸びます。
●胸
吸った息で胸の横のろっ骨を広げるイメージで呼吸しましょう。吸うと胸がふくらみ、吐くとしぼむ様子を意識してください。
【POINT】胸のばしが楽々できる人は...
最初は胸がかたく、みぞおちが天井方向に向かない人も、続けていれば少しずつ上を向くようになります。より深く胸をひらきたい人はベッドの高さを利用。腕を斜め上にひらいたら、さらにベッドの端から下におろして、ポーズをキープします。
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