年を重ねるほどに増えていく体の「痛み」と「悩み」。寄る年波と思いきや、実は「ろっ骨のゆがみ」が原因となっているかもしれません。近ごろは、外出自粛による座り姿勢の増加や、体に合わない机と椅子での自宅テレワークによって、胸のねじれがよりひどくなる人も増えつつあるとか。そこで、1万5000人以上の体をリハビリで変えてきた理学療法士・田舎中真由美さんの著書『胸ひらきで調子のいい自分がずっと続く』(主婦の友インフォス)から、体の調子を悪くする原因と、つぶれてゆがんだ「ろっ骨」を伸ばしてリセットできる著者考案の「胸ひらき」ポーズの一部を抜粋してお届けします。
【前回:「ストレッチ」とは違います。理学療法士考案の「胸ひらき」が肩こり&片頭痛にいい理由】
胸ひらきが腰痛・お腹ぽっこりにいいワケ
胸と骨盤の位置を正し腰まわりの負担を軽減
ゆがみのない体は、姿勢を支える様々な筋肉がしっかりと働くので、日常生活やスポーツシーンでも楽々と動けます。
重力に負けたり、筋力が低下したりで姿勢が保てなくなると、骨盤が後傾。
すると、前かがみの姿勢になり、「働く筋肉」と「働かない筋肉」が現れます。
前かがみ姿勢になると頭から胸を腰が支えるため、体の背面が固くなり腰部に負担が集中。
これが、腰のコリや痛みの原因になります。
一方、体の前面は胸がつぶれたりねじれたりするので、内臓が圧迫。
行き場を失った内臓は前にせり出すしかなく、ぽっこりお腹になってしまうのです。
胸をひらくと胸の位置が上がり、内臓がおさまるスペースができます。
押しつぶされた内臓はあるべき位置に戻り、お腹はスッキリ。
また、骨盤の上にきちんと上半身がのるので余計な力を使わず姿勢が保てるようになり、腰痛も楽になります。
腰痛とお腹ぽっこりの原因
胸ひらきが尿もれ・内臓下垂にいいワケ
内臓の位置が戻り骨盤底筋群が働く
尿もれは骨盤の底にあるインナーマッスル、骨盤底筋群が関係しています。
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胸がつぶれると、骨盤の底に向かって内臓が下垂。
排尿のコントロールに関わる骨盤底筋群に大きな腹圧がかかり、咳をしたり、急に動いたりした瞬間に尿もれを誘発します。
まずは胸をひらいてお腹を伸ばし、内臓を圧迫から解放。
すると、押しつぶされていた骨盤底筋群がしっかり働くので、憂鬱な悩みも解消されます。
【次回:寝ながら伸ばして3回呼吸するだけ。理学療法士考案の体のゆがみを整える「胸のばし」】
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