すぐに疲れてしまう、おなかにガスがたまる、生理前に太りやすい...病院では原因が特定されづらい「なんとなくの不調」に悩まされていませんか? そこで、年間2000人以上の悩みに応えてきた漢方カウンセラー・大久保愛さんの著書『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)より、「漢方×栄養学×腸活」の考え方をもとにした「食薬」のエッセンスをご紹介。ぜひ、自分の「体の状態」に合わせて食事を選び、体調を整えてみてください。
ホルモンの乱れを整える黒いご飯をモグモグ噛んで
更年期とは、閉経前後の45歳から55歳くらいの期間をいいます。
更年期になると卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が急激に減少します。
こうして心身に起こるさまざまな不調が更年期障害です。
個人差はありますが、早い人では40代に入ってすぐに症状を自覚するケースもあります。
また、更年期前の女性でも、睡眠不足や環境の変化、プレッシャーなどで、女性ホルモンの乱れを感じる人は多いと思います。
女性ホルモンの分泌は年齢によって変化しますが、自律神経が乱れて「腎」の働きが低下することでも、バランスが乱れてしまいます。
「腎」の働きを強化し、不足しがちな「血」を補う食事を選びましょう。
とりたい食材
●黒豆
大豆の一種なので、タンパク質が非常に多い食材です。
「血」の材料となる鉄や葉酸、ビタミンB群が豊富で、「腎」を支えてホルモンバランスを整えるイソフラボンやマグネシウムなども多く含まれます。
大豆と違う部分といえば色ですが、黒い色素成分はアントシアニンです。
強い抗酸化作用があり、老化防止や美肌にも役立ちます。
●黒ゴマ
成分のセサミンは女性ホルモンと似た働きをするため、「腎」の働きを支えます。
ビタミンEや不飽和脂肪酸も含まれるため、血行を促進し、手足の冷えの緩和にもつながります。
鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富です。
黒豆と同様にアントシアニンが含まれ、抗酸化作用があります。
漢方では、「肝」と「腎」の両方に効果的とされています。
お勧めレシピ
黒豆黒ゴマご飯
米2合に対して、2合分の水を準備します。
そこに乾燥黒豆1/2カップ、酒、しょうゆを加えて全体を混ぜ、炊飯器で炊きます。
炊き上がったら黒ゴマをたっぷりかけて出来上がり。
◎黒豆の歯ごたえがよく噛むことにつながり、脳の血流量も増え、「腎」の働きを元気づけます。ただ固すぎる場合は、炊く前に一晩水に漬けておくと柔らかくなります。
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とにかくわかりやすい!「漢方×栄養学×腸活」をかけ合わせて、日々の食事を中心に、心と体を整えて不調を解消する55のメソッドが収録されています