この夏は、マスクを手放せないなかでの熱中症対策が欠かせません。「新しい生活様式」に合わせた正しい対策法で、元気に暑さを乗り越えましょう。帝京大学医学部教授の三宅康史(みやけ・やすふみ)先生に、熱中症の原因になる「ドロドロ血」の怖さについて教えていただきました。
体温が上がると、なぜ血液の流れが滞るの?
体内で熱くなった血液は毛細血管へ広がり、その熱を体外に放出して血液の温度を下げ、冷えた血液が体内に戻ることで体を冷やします。
その結果、熱を運ぶための血液が減少。
また、汗をかくことで水分量も減少します。
これらの作用で熱を運び出す血液そのものが減り、効率よく熱を逃がせなくなるのです。
では、以下で詳しく見てみましょう。
1.体内で発生した熱は、血液にその熱を移します
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2.熱を放出して体を冷やします
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3.体が熱くなると皮膚が赤く見えるのは、体表近くの血流を増やして血液を冷やしているから
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4.また、汗をかくことで体内の水分量が減ります
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5.血管や脳、内臓へと行きわたる血液量が少なくなります
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6.熱中症の症状が発生!
夏に多い脳梗塞もドロドロ血にご注意
水分不足になると血液中の水分が減って血液がドロドロになり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。特に、血管が詰まって起こる脳梗塞は夏場に多いもの。こまめな水分補給が大切です。
●顔や腕のしびれ・まひ
●ろれつが回らない
●力が入らない
などの症状は、 数分で治まっても 病院を受診しましょう。
取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) イラスト/サノマキコ