関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは?

幅広い年齢層の女性を悩ます病気の一つに「関節リウマチ」があります。体内の免疫が関節を包む「滑膜(かつまく)」を敵と見なして攻撃し、炎症を引き起こす自己免疫疾患です。

全身のどの関節にも炎症は起こりますが、早期段階では、手足の指など小さな関節の痛みや腫れが特徴的な症状といえます。いったいどのような病気なのでしょう? 東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科教授の針谷正祥先生に、詳しく教えていただきました。

リウマチ...どんな病気?

・関節の腫れと痛みを伴い、関節が破壊される病気

・関節の滑膜という組織を自分の免疫が攻撃し、炎症を引き起こす。

・原因は不明だが、遺伝的な要因に加え、喫煙と歯周病が2大要因になっている。

症状が現れやすい体の部位

関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p086_01.jpg関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p086_02.jpg

はるか昔から人々を悩ませてきた痛み

「手の指の痛みや腫れは、変形性関節症や全身性エリテマトーデスなど別の病気でも起こります。変形性関節症は、指の第1関節が腫れて痛みやすく、関節リウマチは第2関節や第3関節に症状が出やすいといえます。両手の指の状態を見比べてみましょう」と針谷正祥先生は話します。

関節の痛む手と、もう一方の手を見比べて、第2関節や第3関節の太さやシワの寄り方が明らかに異なれば、関節リウマチの疑いが強くなります。

また、指輪で関節の太さを確かめるのも一法です。

太くなっていると入りづらいので、チェックがしやすいでしょう。

また、関節リウマチは、朝起きたときや昼寝の後など、安静にした状態から身体を動かそうとするときに、関節のこわばりや痛みの症状を強く感じるのも特徴です。

【なぜ変形するの?】

関節リウマチが進行すると、炎症によって関節が破壊されて変形することがあります。

特に手や足の指は、骨と骨が向かい合って関節包で包まれているだけの構造なので、骨がずれて変形しやすいのです。

関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p087_01.jpg


チェック! あなたは大丈夫? 

□ 靴ひもやリボンが結びにくい、洋服のボタンを外すのが厄介だ
□ 箸が上手に使えない
□ 家の鍵を開閉するときに指に違和感がある
□ 手の指の第2関節あたりが腫れているような気がする
□ 起床してから30分くらい、手にこわばりなど違和感がある

※上記の症状が一つでも当てはまる人は、リウマチ科、内科、整形外科などの医師に相談を。


「関節リウマチが疑われるときには、リウマチ科や膠原病リウマチ科を受診していただきたい。ご自宅近くの医療機関は、日本リウマチ学会のホームページで検索することができます」と針谷先生はアドバイスします。

6500年以上も前の古代の人骨にも痕跡が残されているほど、関節リウマチは古くから人々を悩ませてきました。

かつては有効な治療法がなかったため、長引く関節の炎症で骨が変形してしまう人が数多くいました。

20世紀の半ばには、自己免疫の暴走を抑えるステロイド薬が登場し、関節手術と合わせた治療が行われていましたが、1999年の抗リウマチ薬「メトトレキサート」の登場で、半数の人は炎症が抑えられ、3割が症状が全くなくなる寛解の状態に至るようになっています。

「治療の柱は薬によるものです。そして、早く見つけて早く治療を始めることが重要になっています。3~4週間も関節の症状が続くようなときには、早めにリウマチ科などを受診していただきたいと思います」と針谷先生。

手の指の変形に多い症例

ボタンホール変形

関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p087_02.jpg

第2関節の炎症によって、関節を伸ばすための腱が縮み、その状態が元に戻らないことで指が変形します。

スワンネック変形

関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p087_03.jpg

炎症で第1関節が伸ばせなくなり、逆に第2関節が伸び過ぎることで、白鳥の頭と首のように変形します。

尺側偏位(しゃくそくへんい)

関節が破壊される原因不明の病気「関節リウマチ」とは? 2006_p087_04.jpg

指の付け根の関節の炎症で指を伸ばす腱が脱臼し、小指の方に全ての指が引っ張られて曲がります。

その他

足の指やひざ関節が変形し歩行が困難になることも。ただし、関節の変形に関しては手術によって改善が可能になっています。早めに専門医に相談しましょう。

【まとめ読み】アラフィフ世代が気になる病気はここからチェック!

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科教授・講座主任
針谷正祥(はりがい・まさよし)先生
1984年防衛医科大学校卒。米国留学などを経て2019年5月より現職。日本リウマチ学会評議員・理事、専門医制度委員会委員長。厚労省研究班研究代表者。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP