起床して手足の指はちゃんと動く?「リウマチ」初期症状セルフチェック

患者の8割が女性で、40~50歳代を中心に誰でもかかる可能性があるという「リウマチ」。手足や指の関節に炎症が起き、腫れや痛み、関節の変形などを伴う病気です。今回は、その初期症状のセルフチェックや4つの気になる疑問について、慶應義塾大学医学部 リウマチ膠原病内科 助教の仁科直先生にお聞きしました。

起床して手足の指はちゃんと動く?「リウマチ」初期症状セルフチェック pixta_40474557_S.jpg前の記事:誰でもかかる可能性アリ!知っておきたい「リウマチ」の基礎知識はこちら

 
治療への近道は「早期発見」!

リウマチの初期症状は、風邪や疲労、五十肩のせいとして見過ごされることがあります。下記の症状に一つでも心当たりがあれば、早めに病院で受診しましょう。早期発見が治療の近道です。


早期発見!リウマチの初期症状チェックリスト

□ 朝起きたとき、手や足の指が動かしにくい
□ 握力が低下し、ペットボトルやビンのふたが開けづらい
□ 全身の関節がぎこちなくなり、布団から起き上がるのに時間がかかる
□ 関節に違和感があり、疲れやすさや熱っぽさを感じる
□ 電車や映画館などで、長時間同じ姿勢をとり続けた後に動作がぎこちなくなる
□ 複数の関節に腫れや痛みがある

 

リウマチの気になるQ&A

Q リウマチは治らない病気なの?
リウマチは完治することがほとんどない病気ですが、現在では薬物によって症状をコントロールできるようになってきました。適切な薬物治療を行い、症状を気にせず生活している患者さんも数多くいます。

 
Q リウマチにかかったら、気を付けることは?
リウマチの進行には個人差がありますが、ほとんどは治療を行わなければ悪化していきます。医師の指示には必ず従い、自己判断で薬を減らしたり、中止したりすることは絶対にやめましょう。また、痛みや腫れなどの症状が激しいときは、運動を避けて安静にしてください。無理に動かすと関節が傷つき、変形の原因にもなります。

 

Q リウマチの治療中に気を付けることは?
「葉酸(ようさん)」という栄養素には、抗リウマチ薬であるメトトレキサートの効果を抑える作用があります。普段の食事からの摂取量程度であれば気にする必要はありませんが、
サプリメントなどの使用は避けてください。基本的に、栄養補助食品やサプリメントを使用すると摂取する栄養素が偏りやすくなるため、使用する際は必ず医師に相談しましょう。

 

Q リウマチは遺伝する?
母体のリウマチが胎児に感染したり、影響することはありません。また、遺伝性の病気ではないため、子にリウマチが遺伝することもありません。ただし、一部の抗リウマチ薬は妊娠中に使用できないため、医師に相談し、治療方法を検討する必要があります。

 

その他の「リウマチ」記事リストはこちら!
取材・文/高橋星羽(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

仁科 直(にしな・なおし)先生

慶應義塾大学医学部リウマチ膠原病内科助教。慶應義塾大学卒業。慶應義塾大学大学院単位取得退学後、学位取得。医学博士。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医。日本リウマチ学会専門医。2016年より現職。専門は関節リウマチおよび膠原病一般。

この記事は『毎日が発見』2019年6月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP