ブースター効果減少で要注意!「帯状疱疹」の予防法って?

ピリッと強く痛む「帯状疱疹」(たいじょうほうしん)。加齢やストレス、疲れなどにより発症し、80歳までに3人に1人がかかると言われる症状です。そこで、今回は、国立感染症研究所 感染症疫学センターの多屋馨子先生に、帯状疱疹の予防法についてお聞きしました。

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水痘ワクチン接種で帯状疱疹は予防できる

水ぼうそうになった経験を持つ人は多く、年齢が高くなるにつれ帯状疱疹の発症リスクも上がります。80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験しているのです。加齢に伴う細胞性免疫の働きの低下に加え、定期接種の導入で水ぼうそうの子どもが減ったことも関係します。

「水ぼうそうに1度なると免疫ができるため。水ぼうそうになった人に接しても再び発症することはありません。そのときに細胞性免疫は活性化されるのです。これをブースター効果と呼びます。定期接種で水ぼうそうを発症する子どもが減ったことで、ブースター効果の機会が少なくなり、加齢で細胞性免疫の働きも弱まることで帯状疱疹になりやすいのです」と多屋先生。

水ぼうそうには2度はなりませんが、帯状疱疹にはなります。ブースター効果が失われつつある現状ではなおさらです。細胞性免疫の働きを高めるため、2016年3月から50歳以上を対象に、水痘ワクチンが帯状疱疹予防として受けられるようになりました。

「帯状疱疹予防の最善策は水痘ワクチン接種です。乳児が定期接種で受けているワクチンと同じです。発症する前の接種で帯状疱疹を防ぐことが可能です」

ただし、抗がん剤治療や免疫を抑えるような薬を服用している人は、いまのところ帯状疱疹予防に水痘ワクチンを受けることができません。ご自身が対象となるかどうかは、主治医に相談しましょう。

「定期接種が始まって間もないため、お子さんや大人でワクチン接種をしておらず、水ぼうそうにもまだなっていない方もいます。妊娠中の方が水ぼうそうになると生まれた赤ちゃんが先天性水痘症候群を発症することがあります。お子さんやお孫さんの状態も把握し、ワクチンを活用してください」と多屋先生は警鐘を鳴らします。

ご自身はもとより、家族も守ることが大切といえます。水ぼうそうになったかどうか分からないときには、血液検査で抗体を調べることができます。予防の要はワクチン接種で、発症してしまったら速やかに医療機関へ行く心がけが大切です。さらに水痘・帯状疱疹ウイルスを家族などにうつさないようにしましょう。

 

次の記事「治療しなかったらどうなる?「帯状疱疹」チャート図/H&B(4)」はこちら。

取材・文/安達純子

 

 

<教えてくれた人>

多屋馨子 (たや・けいこ)先生

国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室室長 。高知医科大学医学部卒。 大阪大学医学部小児科学講座入局後、大阪市立小児保健センター、大阪大学医学部小児科・微生物学講座などを経て2001年国立感染症研究所へ。2013年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年6月号に掲載の情報です。

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