健診で「問題なし」でも油断禁物!「機能性ディスペプシア」とは?

食後の胸やけやゲップ、胃もたれが多くなってきた・・・。そんな悩み、かかえていませんか? そんな「胃の不調」の原因や症状、予防や治療法について、戸田中央総合病院外科消化管部長の立花慎吾先生にお聞きしました。今回は、ストレスや食生活などに関係する「機能性ディスペプシア」についてです。

pixta_44582096_S.jpg前の記事:胃がんリスクを軽減!「ピロリ菌除菌」の基礎知識/胃の不調(4)はこちら

 
症状の最大原因は食道への胃酸逆流

みぞおち(心窩部)の痛みや胸やけが長く続いて医療機関を受診し、内視鏡検査を受けても「異常は見られません」と言われることがあります。粘膜はきれいで明らかな異常が見られないのに症状が出てしまう。これを「機能性ディスペプシア」と称します。日本では胃痛や胸やけで受診した人の5割前後が「機能性ディスペプシア」と診断され、誰もがなり得る病気です。ストレスや食生活などに関係し、欧米では肥満の人や女性で発症しやすいとの報告も。
「近年、機能性ディスペプシアは、胃食道逆流症であることが分かってきました」と立花先生。

機能性ディスペプシアの起こる部位
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胃潰瘍や胃食道逆流症のように、みぞおちの痛みや胸やけなどの症状で、医療機関を受診する人が多いのですが、内視鏡検査では炎症は見られません。

では、主な症状はどのようなものでしょうか?


■主な症状

1.食後に胃がもたれる
2.早期満腹感がある
3.みぞおちに痛みがある
4.みぞおちが焼ける感じがある

機能性ディスペプシアとは「1〜4のうち少なくとも一つ以上の症状があり、その症状が重いため生活に悪影響を及ぼしている。それに加え、症状が6カ月以上前からあり3カ月以上持続している」状態のことをいいます。

胃もたれ、みぞおちの痛みなど、不快な症状が続いているにもかかわらず、内視鏡で検査しても特に異常がない病気で、胃の粘膜などに目に見える異常がない(=器質的な変化がない)のに、胃の働き(=機能)に問題がある、というのが、機能性ディスペプシアの特徴です。


次に、その原因について。

■主な原因

・胃の運動機能異常
・心理的要因
・遺伝的要因
・胃の形状異常
・知覚過敏
・ピロリ菌
・生活習慣

近年の研究で「胃食道逆流症」が関わることが分かってきました。粘膜に炎症は起こっていなくても胃酸が逆流していることがあるのです。一方、心理的な要因で症状が出ることもあります。


最後にチェックリストをつけておきますので、思い当たることがないか確認してみてください。


■あなたも「機能性ディスペプシア?」チェックリスト
□食後いつまでも食べ物が胃の中にあって「もたれる感じ」」が続く
□食事を始めてすぐに胃がいっぱいに感じる
□脂っこいものが 好き
□食事が食べ切れない
□健康診断では特に異常がない
□みぞおちが痛い、焼けるような感じがする
□ストレスを感じている
□不規則な生活になりがちだ
□運動はあまりしていない
□喫煙する


上のチェックリストで、当てはまる項目が多いほどリスクは高くなるので、思い当たる項目が多い方は医療機関を受診しましょう。

次の記事では、検査や予防、治療方法などを詳しく紹介します。

 

次の記事「内視鏡検査ではわからない?「機能性ディスペプシア」の治療法/胃の不調(6)」はこちら。

取材・文/安達純子

 

 

<教えてくれた人>

立花慎吾(たちばな・しんご)先生

戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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