夜や明け方、2週間以上咳が続く・・・それは「咳ぜんそく」かも?

ここ数年「止まらない咳」を訴えて病院を訪れる人が増えているといいます。咳は本来、異物を体内から出すための生理的な反射反応。でも、特に2週間以上続く「長引く咳」は、さまざまな病気の可能性があるので、注意が必要です。咳の仕組みや咳が止まらない原因、治療法などを、日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医で、「池袋大谷クリニック」の院長、大谷義夫先生にお聞きしました。

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気温差や湯気など少しの刺激でも咳が出ます

2週間以上続く咳の原因として、最も多いのが「咳ぜんそく」です。

「1980年ごろから多く見られるようになった病気で、空気が肺に達するまでの通り道である『気道』の粘膜が炎症を起こしている状態です」と、大谷先生。

炎症を起こした気道の粘膜が過敏になり、小さな刺激にも反応して咳が出てしまう状態だと言います。

気道の粘膜が炎症で敏感になっているというのは、たとえるなら、足首をねんざした時に炎症が起こって腫れている部分があると、少しでも触ったり動かしたりすると痛くなるのと同じことです。咳ぜんそくになると、普段は反応しない程度の刺激にも敏感になり、咳が出てしまうのです。


【咳ぜんそくの主な原因】
風邪などのウイルス感染、ハウスダストやダニアレルギーをきっかけに発症するほか、温度差、湯気、香りなど日常生活のさまざまな刺激によって、気道の粘膜に炎症が起こる。

【咳ぜんそくの主な症状】
・風邪の後に長引く
・痰があまり出ない
・咳止め薬が効かない
・「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音は出ない
・夜や明け方によく咳が出る

【咳ぜんそくの主な治療法】
・吸入ステロイド薬の使用
・ステロイド薬・β2刺激薬配合剤(シムビコート、フルティフォーム、レルベアなど)の吸入

吸入ステロイド薬は吸入器から直接肺に吸い込む薬。炎症を起こした気道の粘膜に薬剤が直接届いて、炎症を抑えます。内服薬と異なり、極めて少量で気管支や肺に効果をもたらす局所治療なので、ステロイドによる全身的な副作用は稀といえます。咳が落ち着いてきたら、少しずつステロイドの吸入量を減らしていきます(日本呼吸器学会では、2年間の継続治療を推奨)。

 

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

 

<教えてくれた人>

大谷義夫(おおたに・よしお)先生

「池袋大谷クリニック」院長。日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医。群馬大学医学部を卒業後、九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、アメリカ・ミシガン大学留学などを経て、2009年に「池袋大谷クリニック」を開業。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビや雑誌への出演も多い。著書に『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)、『止まらない咳を治す!』(扶桑社ムック) 、『長生きしたければのどを鍛えなさい』(SB新書) 。

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