「病院に行くべきかどうか...」悩むレベルの"困った症状"、いろいろありますよね。
今回寄せられたお悩みは、手や足にあざができては消える、という症状。医療法人社団同友会理事長 高谷 典秀先生がお答えします。
Q
手や足にあざができて消える
73歳の女性です。少し前から気付いたことですが、手や腕に赤紫色のあざができることがありまして、お手紙をしました。
内出血をしているような色ですが、どこかへぶつかったりした覚えはありません。痛みもありません。10日くらい放っておくと、消えてしまいますが、忘れた頃に、別の場所があざになることがあります。
かかりつけのお医者様に聞きましたが、ただの内出血なので心配ないと言われました。ですが歳ですので、皮膚か、血液の病気でないか、心配です。
A
内出血の可能性が高い。高齢で血管が弱くなる
手や腕を中心にあざができるというご相談ですが、症状から推察して、かかりつけの医師のいうとおり、内出血を起こしているのではないかと思われます。
内出血というものは様々な原因で起きるものですが、ご高齢の方に一番多いのは、日常の生活の中で、気付かない程度に腕などをぶつけてあざができるというものです。高齢になると血管が弱くなり、少しぶつけただけでも血管が傷ついて、そこから少しだけ血液が洩れてしまい、あざになることがあるのです。
とくに脳梗塞や心筋梗塞などの治療をされている場合、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方も多いかと思います。そういった薬は、血小板など血液を固まらせる機能を抑えるものなのですが、その一方で出血が止まりにくくなる副作用もあり、内出血によるあざができやすいということがあります。ですが、あざの数がどんどん増えていくようなことでない限りは、それほど気にする必要は無いかと思います。
皮膚や血液の病気ではと心配されていますが、まず、皮膚病の場合は体やお腹、背中、場合によっては顔など、そういった所に出てくることが多いです。たとえば薬の副作用で湿疹が出る場合にも、手だけに出るということはほとんど無く、むしろ体に出ますので、今回のようなケースの場合、皮膚の病気ということは少し考えにくいです。
一方、血液の病気ということでは、可能性は否定できません。血液の病気の中でも、とくに血小板に関わる病気ですと、血小板の数が減ってしまって、内出血しやすくなることがあります。たとえば白血病や、少し難しい病気ですが特発性血小板減少性紫斑病や白血病の類似疾患の骨髄異形成症候群というものもあります。念のため一度血液検査をして、血小板の数や凝固機能などをチェックされることをおすすめいたします。
高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)
医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。
著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。