特定の病気の疑いも!咳と一緒に出る痰の状態チェックリスト

ここ数年、「止まらない咳」を訴えて病院を訪れる人が増えています。「1カ月前に風邪をひいて、咳だけが治らずに今も出る」「カラ咳が1年くらい続いている」といった症状です。咳は本来、異物を体内から出すための生理的な反射反応ですが、長引く咳、特に2週間以上続いている咳の場合は、風邪ではなく、さまざまな病気の可能性があるので、注意が必要です。

咳の仕組みや咳が止まらない原因、治療法などを、日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医で、「池袋大谷クリニック」の院長、大谷義夫先生にお聞きしました。

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咳の持続期間、咳の出る時とあわせて痰もチェック

咳をした時、痰が出ることが多くあります。痰は、のどに侵入した異物を粘液でからめ取り、体外に排出するものです。ですから、本来は悪いものではなく、痰の状態や色だけでは病気の原因を判断できませんが、「咳と一緒に特徴的な痰が出たり、のどにからんだりする場合は、特定の病気を疑うための1つの指針にすることがあります」と、大谷先生は言います。また、咳は大きく以下の2つに分けられ、それぞれに疑われる病気があります。

◇乾性咳嗽(かんせいがいそう)
「コンコン」という、痰が出ない、乾いた軽い咳。咳ぜんそく、胃食道逆流症など。

◇湿性咳嗽(しっせいがいそう)
「ゴホンゴホン」という、痰がからんだ、湿った思い咳。気管支ぜんそく、肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、副鼻腔炎など。

咳が続く期間(0~3週間...急性の咳。風邪やインフルエンザ、急性気管支炎などの感染症がほとんど、3週間以上~8週間未満...遷延性(せんえんせい)の咳。副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、咳ぜんそくなど、8週間以上...慢性の咳。気管支ぜんそく、咳ぜんそくなど)、咳が出るタイミングに合わせて、痰の状態も確認するといいでしょう。

 

■膿性
状態...細菌と白血球、粘液が混ざっている
色...黄色、緑色、さび色
考えられる病気...肺炎、びまん性汎細(はんさい)気管支炎(副鼻腔炎、後鼻漏)、気管支拡張症、肺炎球菌性肺炎、肺化膿症

■粘液性
状態...粘り気がある
色...透明~白色
考えられる病気...非細菌性感染症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)

■泡沫(ほうまつ)性
状態...泡状
色...ピンク色
考えられる病気...肺水腫

■漿液(しょうえき)性
状態...粘り気がなく透明
色...透明~白
考えられる病気...肺胞上皮がん、気管支ぜんそく

■血痰(けったん)
状態...痰に血液が混じっている
色...茶色、暗赤色
考えられる病気...肺がん、気管支拡張症、肺結核症、肺真菌症、肺梗塞、肺マック(MAC)症

■喀血(かっけつ)
状態...咳と一緒に血液を吐く(肺、または気管支からの出血)
色...赤色
考えられる病気...肺胞出血、肺結核症、肺真菌症、肺がん、気管支拡張症、肺マック(MAC)症


中でも注意が必要なのは、血痰と喀血です。特に喀血は、肺や気管から出血した血液そのものを咳と一緒に吐く状態で、気道内で血が固まって窒息する可能性もあるので、直ちに病院を受診してください。

 

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

 

<教えてくれた人>

大谷義夫(おおたに・よしお)先生

「池袋大谷クリニック」院長。日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医。群馬大学医学部を卒業後、九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、アメリカ・ミシガン大学留学などを経て、2009年に「池袋大谷クリニック」を開業。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビや雑誌への出演も多い。著書に『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)、『止まらない咳を治す!』(扶桑社ムック) 、『長生きしたければのどを鍛えなさい』(SB新書) 。

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