正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!

たかが肩こり、されど肩こり。放っておくと重大な病気に発展してしまう危険性もあるのが肩こりです。その原因と注意すべき痛みの種類、予防に効く姿勢やストレッチなどを、東京都済生会中央病院整形外科担当部長の手塚正樹先生に教えていただきました。

前の記事「肩こりの悪循環「肩こりサイクル」を避けるには、まずは姿勢の見直しを!(2)」はこちら。

 

肩こり予防は姿勢を正してストレッチするなどで筋肉をほぐし、血流を良くすることがポイントになります。長時間座り続けるなど同じ姿勢は避け、1時間に1回は立ち上がって動くとよいそうです。

「ストレッチは肩こりの予防と改善の一石二鳥の役割があります。毎日続けることで筋肉を鍛えながら症状を改善させることができます。ただし、姿勢を正すときに背中を反らせ過ぎると腰に負担がかかるので注意してください。リラックスしながら行うのがコツです」と手塚先生は話します。

日常生活での正しい姿勢とストレッチで肩こりを撃退して、快適な毎日を過ごしましょう!

 
■知っておきたい「肩こり」の予防法:姿勢編

疲れにくい立ち方

正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!  1903_p087_02.jpg日頃からご自身の姿勢をチェックし、正しい姿勢に修正して徐々に慣れていきましょう。

正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!  1903_p087_03.jpg反らし過ぎはNG
背骨が反りすぎてしまう

  

疲れにくい座り方
正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!  1903_p087_01.jpg背中が丸くならないように背もたれと腰の間にクッションを挟むなどの工夫も大切です。

 

 
■知っておきたい「肩こり」の予防法:ストレッチ編

1日に3セットを目安に仕事や家事の合間に行ってください

肩甲骨の開閉
正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!  1903_p087_05.jpg肩甲骨の開閉をして 肩の表層筋を鍛えることで、肩こりの予防や改善につながります。
1 両手を組んで頭の後ろに当て、 ひじを上げて胸を張る。
2 ひじを前に突き出して肩甲骨の間を伸ばす。 ゆっくり10回繰り返す (→1セット)

 

肩の上げ下げ
正しい立ち方座り方と、仕事や家事の合間の簡単ストレッチで「肩こり」予防!  1903_p087_04.jpg肩の筋肉を動かしてほぐすと血行が良くなり、肩こりの軽減や予防につながります。

1 息を吸いながらギュッと肩をすくめて上げる。
2 息を吐きながら肩を下ろす。 ゆっくり10回繰り返す。(→1セット)

水泳はクロールか背泳ぎで。平泳ぎはおすすめしません!
肩甲骨を動かすには水泳のクロールが役立ちます。平泳ぎは首や腰の負担になってしまいます

 

 
■症状が進んだときの治療は?

単に「肩こり」だけの場合は、症状のほとんどが運動やストレッチで改善します。以下に挙げる治療は「肩こり」よりも症状が進行した場合に行われることが多いものです。

<保存的療法>
・安静療法
運動や衝撃で激しい痛みが生じたときには、 装具や三角巾などで固定して安静にします。

・温熱療法
ホットパックや電気治療器などを患部に当て、筋肉を温めて血流を良くします。

・理学療法
器具などで固定、あるいは、患部を少しずつ引っ張るけん引療法などがあります。

・薬物療法
消炎鎮痛薬や筋肉をほぐす薬など種類がいろいろあり、症状に合わせて処方されます。

 

<外科的療法(手術)>
頸椎の病気で中枢神経が圧迫されていると、ボタンがうまく留められないなど、肩こり以外の神経症状が現れます。このような場合は早めの手術で圧迫を取り除くことも必要。中枢神経の圧迫を長期間放置すると、手術をしても回復しないことがあるからです。

 

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

 

<教えてくれた人>

手塚正樹(てづか・まさき)先生

東京都済生会中央病院整形外科担当部長。慶應義塾大学医学部整形外科客員講師。慶應義塾大学医学部卒。2009年より現職。専門は脊椎・脊髄外科。監修書籍『ウルトラ図解 くび・肩・背中の痛み』(法研)などで一般の人への啓蒙も行う。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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