いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?
実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。
魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。
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液体窒素や内服薬で完治には3~6カ月
「イボかな?」と思ったら、まず皮膚科を受診しましょう。イボと診断されたなら、そのまま皮膚科で治療します。
イボは魚の目とよく似ているので、皮膚科で魚の目と診断されることもありますが、魚の目は皮膚科ではなかなか完治しづらい場合もあります。なかなか治らない場合は、フットケア外来や足専門の医療機関へ行くといいでしょう。
【主な治療法】
■液体窒素による凍結治療
液体窒素を患部に当て、刺激を加えることで免疫細胞を患部に集め、免疫力でイボを治します。この治療は、液体窒素で凍らせてウイルスを殺し、イボを除去する治療だと思われがちですが、実はそうではありません。人によっては痛みが強く出ることもありますが、患部が広範囲だったり、深かったりする場合は、何度かこの治療を繰り返す必要があります。
■内服薬
免疫力を高める働きを持つ、ハト麦由来の漢方薬「ヨクイニン」を、1日3回食前に服用します。ヨクイニンは、イボの治療で唯一、保険適用がある内服薬です。
■手術
なかなか治らない場合、外科的切除をすることもあります。メスやレーザーなどを使用し、数十分ほどで終わります。
免疫力が高い人の場合、イボは特に何もしなくてもそのうち治ってしまうこともあり、特に子供はそのような場合も多くあります。しかし、免疫力は加齢に伴って低下するので、一般的には大人のほうが治りづらい傾向があります。
また、イボが大きいほど完治には時間がかかります。治るまでには最低でも3~6カ月程度かかると見込んでおきましょう。
【ウイルスに感染しないための予防法】
・プールやジム、銭湯などに行ったときは、家に帰ったら足をよく洗う。
・はだしでのスリッパの共用を避ける。家族間であっても避けること。
・足の保湿をする。乾燥してカサカサした部分やひび割れがあると、ウイルスが入り込み、感染のリスクが高まります。
・皮膚のバリア機能を壊す魚の目やタコ、靴ずれを作らないようにする。
・手にもうつるので触らない。
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取材・文/岡田知子(BLOOM)